メモ

大量生産可能な「新型コロナウイルス感染症の予防薬」の開発にDARPAが着手している


軍事に関する新技術を開発するアメリカ国防高等研究計画局(DARPA)が、抗体を体内で産生させて新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹りにくくする予防薬を開発しています。

US Military Scientists Hope To Have Coronavirus Therapeutic By Summer - Defense One
https://www.defenseone.com/technology/2020/03/us-military-scientists-hope-have-coronavirus-therapeutic-summer/163659/


DARPA Races To Create a “Firebreak” Treatment for the Coronavirus - IEEE Spectrum
https://spectrum.ieee.org/the-human-os/biomedical/bionics/darpas-firebreak-treatment-for-the-coronavirus

この予防薬は、すでにCOVID-19を完治させた患者の「新型コロナウイルスに対する抗体を産生するメカニズム」を利用するものです。まずCOVID-19を完治させた患者から血液サンプルを採取し、体内のB細胞で産生された保護抗体を全て抜き出します。次に、バイオインフォマティクスを活用して全ての保護抗体を調べ上げ、新型コロナウイルスに最も効果を発揮すると思われる抗体を見つけ出し、その抗体の産生を促した新型コロナウイルスのメッセンジャーRNAを特定します。


このメッセンジャーRNAを健康な人の体内に注入すると、新型コロナウイルスに対する抗体が一時的に産生されるとのこと。予防薬によって体内で抗体が産生される現象は数カ月持続する見通しで、その効果については研究チームは「COVID-19の予防に効果があり、時には治療薬として機能する可能性すらある」と主張。「抗体自体をバイオリアクターで生成して体内に投与するよりも、人体に抗体を産生してもらうほうが安価かつ簡単」と述べて、この手法の有用性を強調しました。

今回の開発工程は、DARPAが2017年にスタートしたパンデミック予防薬開発プログラム「Pandemic Preparedness Platform(P3)」に基づいています。P3プログラムは、「軍事目的を妨げるようなパンデミックを引き起こしうるウイルスに対しての研究手法を確立する」というもの。マイクロ流体工学への投資やミリメートル未満の液体の操作、ナノファブリケーション、10億分の1メートル未満のサイズのオブジェクトの製造などのDNAシークエンシングに関する新技術を駆使して従来は数年かかっていたモノクローナル抗体の発見プロセスを数週間にまで短縮したという実績があり、今回の新型コロナウイルスに対して実際に運用されることとなりました。


研究チームは2020年3月5日時点で「COVID-19を完治させた患者数十人から採取した血液サンプルから抜き出した保護抗体を全て調べ上げている段階」だと報告しています。研究チームを統括するエイミー・ジェンキンス博士は、「抗体の産生を促すCOVID-19のメッセンジャーRNAの特定には、最低でも90日かかります」とコメント。予防薬のプロトタイプの完成については、「夏の終わりまでに形になれば」と述べています。

しかし、予防薬が完成したとしても、安全性に対する臨床試験を行ってアメリカ食品医薬品局(FDA)の承認を得る必要があるため、「実際に使用できるようになるにはさらに時間が掛かるのでは」という指摘もあります。この懸念に対し、研究チームは「『コンパッショネート・ユース』という代替療法がない等の限定的状況において未承認薬の使用を認める制度を活用すれば、命の危険がある状況下でも未承認の薬を使用できます。今回のケースはCOVID-19は命の危険がある伝染病で、開発中の予防薬もメカニズム的に安全性が高いと考えられることから、コンパッショネート・ユースが適用されると確信しています」と回答しています。

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in メモ, Posted by log1k_iy

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