天然ガス発電所が60億円超を費やしてビットコインマイニング設備を導入
天然ガス発電所を運営するGreenidge Generationは、同社の発電施設内に毎日5万ドル(約520万円)相当のビットコインを採掘できる設備を導入しています。
$65M Investment Fuels Natural Gas Provider’s ‘Behind-the-Meter’ Bitcoin Mining Operation - Bitcoin News
https://news.bitcoin.com/natural-gas-bitcoin-mining-operation/
アメリカ・ニューヨーク州フィンガーレイクスにあるGreenidge Generationの天然ガス発電所では、ビットコインを採掘するために約6000平方メートルの敷地面積を用いて、ビットコインマイニング用の設備を導入しています。このビットコインマイニング用設備では7000基ものビットコインマイナーが稼働しており、毎日5万ドル相当のビットコインを採掘することに成功しているとのこと。
Greenidge Generationの天然ガス発電所に設置された、ビットコインマイニング用設備の外観は以下の通り。サーバーを備えた7つのマイニングコンテナと、ビットコインをマイニングするためのマイニングファームユニット「Bitmain Antbox」2つが含まれています。
フィンガーレイクスにあるGreenidge Generationの天然ガス発電所は、元は石炭を用いた火力発電所でした。その後、2017年にGreenidge Generationはニューヨーク州環境保全局およびアメリカ合衆国環境保護庁の承認を受け、天然ガスを用いた完全にクリーンなエネルギーを生み出す発電所に変わります。
そこからさらに、Greenidge GenerationはAtlas Holdingsと提携し、ビットコインマイニング事業に6500万ドル(約67億円)を投資し、ビットコインマイニング用設備を導入することに成功。6500万ドルの投資は、ビットコインマイナー7000基を追加することに用いられただけでなく、発電所をマイニング施設に転換する費用などにも使用されています。
Greenidge Generationは天然ガス発電所を運営してきた経験から、ビットコインネットワークをダウンタイムなしの24時間年中無休で稼働させることに「何の問題もない」としています。Greenidge GenerationのCEOであるDale Irwin氏も、「発電所オペレーターとしての活動から、『年中無休で資産を運用すること』は我々のDNAに刻まれています。我々はビットコインのマイニング業務においても、全く同じ規律とコミットメントをもたらすことができます」とコメントし、ビットコインのマイニング業務への注力をアピールしています。
発電所に新しく導入されたマイニングリグで満たされた3つの立方体状の設備。
マイニングリグが敷き詰められた立方体設備を外から見るとこんな感じ。合計で7000基のビットコインマイナーが稼働しています。
ビットコインのポータルサイト・Bitcoin.comは、「Greenidge Generationが仮想通貨マイニング事業を始めたことは、他の天然ガス発電所をマイニング事業に引き込む可能性があります。過剰なエネルギーやマイニング設備を設置するための面積を保有する企業は、このアイデアを既に活用している他の発電所が得ている利益を目にするかもしれません。天然ガスを扱う発電所は現場で生産された余剰エネルギーを用いることで、ビットコインを採掘して利益を得ることができることにすぐに気づくでしょう」と記し、Greenidge Generationのような広大な敷地を持つ発電所や天然ガスメーカーが、マイニング事業に参戦する可能性を示唆しています。
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