「マスク」の検索数が新型コロナウイルスの影響で前例のないほど増加
欧米では「マスク」を着用して外出するということは一般的ではありませんでしたが、新型コロナウイルスの影響で旧来の常識が変化しつつあります。新型コロナウイルスの流行が問題になるにつれ、Google検索で「マスク」の検索数が急増したとウェブメディアのMashableが報告しました。
Google searches for 'face mask' hit all-time high due to coronavirus
https://mashable.com/article/google-search-trends-face-mask-coronavirus/
As Covid-19 Spreads, Amazon Tries to Curb Mask Price Gouging | WIRED
https://www.wired.com/story/covid-19-amazon-curb-face-mask-price-gouging/
「Google トレンド」はGoogle上で検索数が多い単語や特定の単語の検索数の推移などを調べられるサービスです。Mashableが報告したのは、アメリカで「Face mask(マスク)」の検索数が突如急増したという事実です。サービス開始時の2004年から2020年2月に至るまでのFace maskのGoogle検索回数の推移が以下で、縦軸は検索件数ではなく、最も検索数が多かった期間を100としたときのパーセンテージを示しています。このグラフを見ると、2019年12月から2020年2月にかけて検索数が倍近くになっていることが一目で理解できます。
期間を「過去12か月間」に変更するとこんな感じ。2020年1月26日から2月1日の検索数が最も多く、それ以前に比べて検索数は2.5倍ほどになっています。
日本における「マスク」の検索数の変動が以下。2020年1月頃から検索数は文字通り「爆増」しています。
期間を「過去12か月間」に切り替えると、2020年2月2日~2月8日の検索数は、1月12日~1月18日の検索数の10倍になったことが理解できます。
Mashableはあくまで「検索数の急増が新型コロナウイルスの流行と因果関係があるかどうかは不明」としながらも、相関関係があると述べました。検索数が急増した2020年1月下旬は、新型コロナウイルスに関する報道が増え、同時にSNS上などでデマや陰謀論などが盛んに叫ばれた時期です。
マスクに関する問題を報じたウェブメディアのWiredによると、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)はアメリカに新型コロナウイルスの流行が拡大する可能性があるという懸念を示したものの、一般市民に対してマスクを着用することを推奨してはいません。しかし、新型コロナウイルスに関する報道で「マスクを着用する人々」が映し出されていることから、アメリカ国民はマスクの効果について注目しつつあるとのこと。その注目ゆえに、マスクの検索数が急上昇したというのがMashableの見解です。なお、肝心のマスクの効果については、ニューヨークタイムズは「新型コロナウイルスを防ぐ最も効果的な方法は頻繁に手を洗うこと」という専門家の意見を報じています。
ただし、Mashableは「Google検索はマスクの有効性に関する情報を調べる場合には役に立たない」と記しています。それは、Googleでマスクを検索すると上位にマスクをオンライン販売するページが来てしまうというのが理由。記事作成時点では、実際に日本語で「マスク」とGoogle検索すると、以下のような結果になりました。
日本では新型コロナウイルスに対する不安のためマスクの需要が急増しており、買い占めや転売などが続出、社会現象になっています。厚生労働省は全国マスク工業会と連携して、「マスクは買い占めなくても大丈夫」「毎週1億枚以上のマスクを官民連携して届ける」と発表しています。
新型コロナウイルス感染症対策 - マスクについてのお願い
(PDFファイル)https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000594878.pdf
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