サイエンス

インフルエンザに関する「6つの誤解」とは?

by sweetlouise

インフルエンザは高熱・頭痛・筋肉痛・鼻水・せきといった症状を伴う感染症で、毎年11月から3月頃にかけて広く流行します。世界保健機関(WHO)によると、インフルエンザによって毎年300万人~500万人もの重症患者が発生し、29万人~65万人が死亡しているそうです。そんなインフルエンザにまつわる「6つの誤解」について、アメリカのウェブメディアであるInverseがまとめています。

6 common myths about the flu, debunked | Inverse
https://www.inverse.com/article/60421-everything-to-know-about-flu-season

◆1:「インフルエンザは『酷い風邪』である」という誤解
インフルエンザと風邪は確かにどちらも呼吸器疾患ですが、風邪は主にライノウイルスなどによって引き起こされ、インフルエンザはインフルエンザウイルスによって引き起こされるという違いがあります。インフルエンザウイルスにはA型B型C型の3種類がありますが、流行的な広がりを見せるのはA型のH1N1亜型H3N2亜型とB型といわれています。

また、インフルエンザの症状は一般的に風邪よりも酷く、肺炎や筋肉の炎症、多臓器不全といった深刻な合併症を伴う場合があるとのこと。症状が重度になると入院が必要になるほか、妊娠中の女性・65歳以上の高齢者・2歳以下の子ども・腎臓や肺の疾患を持つ人・糖尿病の人では合併症のリスクが高く、危険な状態になりやすいそうです。

by silviarita

◆2:「インフルエンザワクチンによってインフルエンザにかかる」という誤解
インフルエンザワクチンには生のウイルスが含まれていないため、ワクチン接種によってインフルエンザにかかることはないとのこと。このような誤解が生まれた理由として、インフルエンザワクチンの接種が推奨される時期には、インフルエンザに似た症状をもたらすウイルスが存在するため、このうちのどれかに罹患した人が「ワクチンによってインフルエンザになってしまった」と勘違いした可能性があるそうです。

また、ワクチン自体の効果が現れるまでに2週間ほどのタイムラグがあるため、インフルエンザシーズン中にワクチンを接種した場合、接種から効果が出るまでの間にインフルエンザにかかる可能性もあります。

by huntlh

◆3:「予防接種でインフルエンザを100%防ぐことができる」という誤解
インフルエンザワクチンによって感染を100%予防できるわけではなく、有効性は接種を受けた人の健康状態や年齢、流行するインフルエンザウイルスのタイプなどに左右されます。予防接種を受けたからといって油断せず、石けんや水で手をよく洗い、病気の人とは接触を避けることも重要です。

◆4:「寒いところにいるとインフルエンザになりやすい」という誤解
インフルエンザにかかる唯一の方法はウイルスを体内に取り込むことであり、どれほど寒い場所にとどまろうと、ウイルス自体に感染しなければインフルエンザを発症しません。もちろん寒い場所にインフルエンザウイルスがいることもありますが、暖かい場所にもインフルエンザウイルスは存在しています。

by langll

◆5:「豚インフルエンザが人の間で流行している」という誤解
「豚インフルエンザ」という用語は、2009年に新型インフルエンザが世界的に流行して以来、誤った使われ方をしているとInverseは指摘。実際に豚の間で流行する豚インフルエンザは人へも感染が広がることがありますが、ウイルスの拡散は限定的であり、人の間で広く流行することはありません。

2009年に流行した新型インフルエンザウイルスであるA(H1N1)pdm09型は、豚インフルエンザに最も近いとする分析や、発生源が豚インフルエンザである可能性が指摘されたため、しばしば「豚インフルエンザ」という呼称が使われました。しかしA(H1N1)pdm09型はあくまでも人の間で感染する新型のインフルエンザウイルスであり、日本政府も2009年4月28日からは呼称を「新型インフルエンザ」に統一しています。なお、記事作成時点では、A(H1N1)pdm09型の致死率はその他の季節性インフルエンザと同じかそれ以下であるとされており、通常のインフルエンザと同様の治療が行われています。

by Mutinka

◆6:「インフルエンザの治療薬は抗ウイルス薬だ」という誤解
インフルエンザの治療では主に鼻水や体の痛み、疲労といった症状を緩和することに焦点を当てており、インフルエンザウイルスの撲滅を目的に抗ウイルス薬が投与されることはまれだとのこと。重篤な合併症のリスクがある人に対しては抗ウイルス薬を処方することもあるそうですが、発症後24時間~48時間という初期段階で抗ウイルス薬を投与する必要があります。

しかし、世界的にはインフルエンザに抗ウイルス薬が用いられることは少ないものの、日本ではザナミビル(リレンザ)オセルタミビル(タミフル)をはじめとする抗ウイルス薬が治療に用いられています。日本感染症学会は、発病早期からの抗ウイルス薬投与を推奨しています。

by stevepb

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
だ液と共に付着したインフルエンザウイルスはアルコール消毒に対して4分間無敵だという研究結果 - GIGAZINE

なぜ30%しか効果がなくてもインフルエンザワクチンは打つべきなのか? - GIGAZINE

毎年変化するインフルエンザウイルスへの抗体がラマを用いて生み出せるかもしれない - GIGAZINE

インフルエンザウイルスは通常の呼吸だけでも拡散していることが判明 - GIGAZINE

インフルエンザや感染症の拡大速度を予測する実験 - GIGAZINE

インフルエンザやカゼを防ぐのに実は効果のない方法・効果のある予防法とは? - GIGAZINE

飛行機内でインフルエンザなどに感染するリスクは低いと研究者が指摘 - GIGAZINE

in サイエンス, Posted by log1h_ik

You can read the machine translated English article here.