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運動のやりすぎは重大な悪影響を体にもたらす、「やりすぎ」の目安とは?

by nd3000

過去には10代の少女が1000回のスクワットを敢行して病院送りになった事例が報告されていますが、ここまで極端でなくても「運動のしすぎは重大な悪影響をもたらすことがある」と指摘されています。

The serious consequence of exercising too much, too fast
https://theconversation.com/the-serious-consequence-of-exercising-too-much-too-fast-129501

ウェイン州立大学でスポーツ科学を研究しているタマラ・ヒュー・バトラー氏によると、骨格筋の細胞が破壊されて引き起こされる横紋筋融解症(rhabdomyolysis)は、専門家の間では「ラブド(rhabdo)」との通称で呼ばれているとのこと。先述のスクワットをやりすぎて入院することになった中国の少女も、この横紋筋融解症との診断を受けています。幸いにも、少女2人は一命を取り留めましたが、横紋筋融解症の症状が深刻な場合は死に至ることもあります。

横紋筋融解症が人を死に至らしめる直接の原因は、腎不全です。筋肉中にあるミオグロビンというタンパク質は分子が大きいため、血液をろ過する腎臓の尿細管を詰まらせるほか、腎臓に有害な物質に変化することもあります。そのため、血中のミオグロビンが多すぎると、腎機能が停止し命を落としてしまいます。

by John Campbell

横紋筋融解症はサッカー・水泳・ラクロス・陸上競技・バスケットボール・ソフトボール・バレーボール・ゴルフなど、多種多様なスポーツで発症例が報告されています。発症例に共通しているのが「やりすぎ・速すぎ・頻繁すぎ」だとのこと。一例として、2014年には34人の大学生水泳選手が腕相撲大会を行い、20分間の試合で6人が病院に運び込まれました。

過度な運動で横紋筋融解症になるのは、スポーツ選手だけではありません。2015年には、55歳の男性が過度のガーデニングで集中治療室に運び込まれたこともあります。また、体育の授業で120回の腕立て伏せを命じられた高校生119人が入院した事例もあり、不慣れな運動で横紋筋融解症になるのは若者も同様です。

by FlamingoImages

ヒュー・バトラー氏によると、運動から1~2日以内に以下のような症状が出た場合は、医師の診察を受ける事が望ましいとのこと。

・時間がたっても治らない耐えがたい筋肉痛
・動きの妨げになるような筋肉の腫れ
・吐き気やおう吐
・コーラ飲料のように暗褐色の尿

また、暑い中での運動や脱水症状、水分の過剰摂取、過度の飲酒やコーヒーの飲み過ぎも危険因子になりやすいとのこと。さらに、菜食主義や高タンパクな食事などの極端な食生活や、鎌状赤血球症といった体質的な問題もリスクを増大させます。

ヒュー・バトラー氏は「急性腎障害や衰弱性の症状を伴わない筋肉の破壊は、トレーニングでは当たり前に起きる現象です。適度なトレーニングと休息を組み合わせれば、体脂肪の減少、筋肉の増加、体力の向上など、好ましいメリットが得られます。しかし、あまりにも速く運動しすぎるのは避けるべきです」と述べて、適度な運動が大切だということを強調しました。

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in メモ, Posted by log1l_ks

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