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衰退する「紙の本」を売り続ける人々の実情に迫る「The Booksellers」予告ムービー


電子書籍の普及やオンラインショップの増加により、実店舗を持つ書店の数は日本でも大きく減少し、1999年から2017年にかけて1万店近くの書店が閉店しています。アメリカでも例に漏れず多くの書店が廃業に追いやられていますが、本を愛する人々によって支えられる書店事情を垣間見られるドキュメンタリー「The Booksellers」の予告編が公開しています。

The Booksellers | Greenwich Entertainment
https://www.booksellersmovie.com/

The Booksellers | Official Trailer - YouTube


ニューヨークに店を構えるStrand Bookstoreは、1927年に創業した老舗の書店。


経営者であるナンシー・バス・ワイデン氏は、Strand Bookstoreは祖父の代から始まったと語ります。


創業当時、Strand Bookstoreの周りはBook Rowと呼ばれ、周囲には30軒以上もの書店が立ち並んでいました。しかし、1960年代頃から家賃の急騰や跡継ぎの不足といった問題から書店が激減し、Strand Bookstoreの周囲にあった書店は全て閉店してしまいました。


1950年代のニューヨーク全体では、368軒もの書店が存在していたのですが、記事作成時点では79軒にまで減少しています。


書店が全盛期だった頃を知る人たちは「本を買おうか迷って、すごくイライラした人が何人もいたことを覚えています。一日中、店に入り浸る人もいました」と昔を語っています。


「書店で本を買うことは狩りのようなものでした。しかしインターネットが狩りを台無しにしたんです」と語る経営者もいます。


インターネットが普及し、ほしい本を簡単に手に入れられるようになったことが、本を探す楽しみを奪ってしまったということです。


インターネットの普及は大きな被害を多くの書店に与え、生計を失った人も少なくありませんでした。


書店の衰退を嘆く声が多くある一方で、若いディーラーの台頭も目覚ましいとのこと。大規模な古本市では……


ベテランのディーラーだけでなく、若いディーラーの姿もありました。


真剣な表情で品定めする若いディーラーたち。


ディーラーの1人は、「ベテランのディーラーからは『あなたが何をしようとしているのか分からない』とよく言われますが、私は本を売るためのアイデアをたくさん持っているんです」と語っていました。


近所の人との密接な付き合いで売り上げを伸ばす独立系書店も存在します。


経営者らは「チェーン店には決してできなかった方法で地域と深く関わっています。本へのこだわりも大きいと思います」と語っています。


「優れたディーラーは、ある種の発見者であり、歴史を重んじる人です」と語る男性。


ニューヨークでは、地下鉄で本を読んでいる人も多く、中には20代くらいの若者もいるそうです。


書店は減っているものの、売る立場で本を愛する人々、買う立場で本を愛する人々によって書店は支えられ、新しい世代へ紙の本の素晴らしさが伝えられているいうことです。


「The Booksellers」はアメリカのロサンゼルスおよびニューヨークで2020年3月6日(金)に公開を予定しており、記事作成時点で日本での公開予定はありません。

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in 動画, Posted by darkhorse_log

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