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ゲームの「ナーフ(弱化)」や「バフ(強化)」という言葉はいつから使われるようになったのか?

By alexacrib

世界で1億人以上がプレイしている「League of Legends」のような人気の高いオンラインゲームでは、1回のアップデートで何十種類ものルールや設定が変更されることがあります。アップデートによる変更について、何かを弱化することを「ナーフ(nerf)」、何かを強化することを「バフ(buff)」という単語で表すのは、一体いつ頃から始まったのかをInverseのゲームライターであるダニー・パエス氏が語っています。

Coined: How “nerf” and “buff” became the terms gamers can’t stop arguing about
https://www.inverse.com/gaming/nerg-buff-meaning-video-games-coined-series

「League of Legends」だけでなく、「Fortnite」や「Overwatch」 など、白熱したプレイが求められるオンラインゲームでは、ゲームバランスを保つために細かいアップデートが頻繁に実施されています。開発者は、多くのプレイヤーによって発見される予期せぬバグやチート行為などを常に監視し、ゲームの改善に努めています。

そんな開発者に対して、ゲームのオンラインコミュニティでは、強すぎるキャラクターを「弱くして(PLS NERF)」と懇願するファンや、アップデートによって無敵の能力を持ってしまったキャラクターのバフに不平を漏らすファンが多くいます。ナーフやバフといった言葉は1990年代後半から2000年代前半に生まれたとされており、ナーフの起源は、多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲーム(MMORPG)の「Ultima Online」であるという説があります。

By monkeybusiness

1997年、Ultima Onlineが公開されて間もない頃はゲームバランスが取れておらず、数ある武器の中で、剣だけが異常に強くなっていたそうです。当然、剣が最強であることを見抜いた何千人ものプレイヤーは、剣ばかりを使うようになりました。それ以外のプレイヤーは、弱い弓や杖、斧などに固執し続けるか、諦めて剣を選ぶしかありませんでした。

当時、オンラインゲームにおけるバランス調整のためのアップデートは一般的ではありませんでした。しかし、剣ばかりが選ばれる状況を把握したUltima Onlineの開発チームは、プレイヤーの要望に応じて剣を弱化する変更を行いました。それ以来、剣を好んで使っていたプレイヤーたちは、Ultima Onlineの剣に皮肉を込めて、おもちゃメーカーのHasbroが販売するNERFの剣に例え始めたことから、ナーフが弱化を指す言葉になったとされています。

また、Ultima Onlineの開発者であるラフ・コスター氏も、自身のブログで「『nerfing』という言葉がオンラインゲームでよく使われるのは、Ultima Onlineのせいだ」と述べています。

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また、ナーフの語源については、2002年のニューヨーク・タイムズ紙におけるゴーテ・ゴデジャー氏のインタビューにも取り上げられています。ゴデジャー氏はMMORPG「Anarchy Online」の開発者で、バフという単語はAnarchy Onlineから始まったとされています。

Gaming Stack Exchangeに投稿された「バフという用語の由来は?」という質問に寄せられた回答によると、Anarchy OnlineやEverquestなどのオンラインコミュニティで1990年代後半から2000年代前半頃に使われ始めたとされています。

しかし、もともとバフという言葉は、ゲームの「全体的なバランスの強化」を表すのではなく、「攻撃力や守備力の一時的な強化」を表す言葉として使われていました。また、「一時的な強化」という意味におけるバフの対になる言葉は「デバフ」であり、呪いなどで敵の動きを遅くしたり、時間をかけてダメージを与えたりする言葉として使用されていました。

By Geeky Shots

バフとデバフは、「Dungeons & Dragons」のようなテーブルトークRPGで使われる言葉でした。テーブルトークRPGでは味方の攻撃を強めたりするためにバフという言葉が使われており、「buff」という単語そのものは、「To be muscular(筋肉質になる)」という意味のスラングでもあります。

バフは、ナーフのようにプレイヤーによって生み出される大きな原因があったわけではなく、Anarchy Onlineのプレイヤーたちの間で「全体的なバランスの強化」という意味で徐々に広まっていきました。

「ナーフもバフも、競争が激しいオンラインゲームの変化を簡潔に表現するために生まれた言葉です。Overwatchで愛用のキャラクターが『ナーフ』されたり、League of Legendsでがっかりするような『バフ』が追加されたりすることもあります。そんな時はオンラインアップデートがなかった時代を思い出して、無料でアップデートを受けられるありがたみを再認識してください」とパエス氏は語っています。

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in ゲーム, Posted by darkhorse_log

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