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運動障害のある我が子のためにNintendo Switchで使えるコントローラーを自作したお父さんが娘の最高の笑顔をゲット


デジタル教育関連のサービスを提供するDigital Jersey Academyで責任者を務めるRory Steelさんは、遺伝性痙性対麻痺(HSP)であるため指先の細かな動きを苦手とする自身の娘・アヴァちゃんのために、自作のコントローラーを作成しその工程をTwitter上に公開しました。父親が作ってくれたコントローラーのおかげでゲームを思う存分プレイできるようになったアヴァちゃんの最高の笑顔が見られる映像は、瞬く間にインターネット上で拡散され、Steelさんには多くの称賛の声が集まっています。

Jersey Dad's Gaming Creation Goes Global - Channel 103
https://www.channel103.com/news/jersey-news/jersey-dads-gaming-creation-goes-global/

Steelさんは「娘のクリスマスプレゼントにNintendo Switchを購入したものの、娘には運動ニューロンの障害があり、コントローラーを上下に動かす程度しかできません。娘は『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』を遊びたがりましたが、その操作はあまりにも複雑すぎました」と語り、運動障害を持つ自身の娘でもゲームが楽しめるように、コントローラーを自作することを決めたとしています。

そこで用意したのが、Nintendo SwitchおよびMicrosoftがゲームプレイにおける入力操作を好みに合わせてカスタマイズできるように開発した障害者向けのコントローラーXbox アダプティブ コントローラー。これに加えて、eBayで購入したといういくつかのパーツ。SteelさんはXbox アダプティブ コントローラーをベースに、アヴァちゃんでも快適にゲームがプレイできるコントローラーの作成を目指しています。

This weekends project. Make a @Nintendo #switch accessibility controller for my daughter using @Microsoft #adaptiveController and some @eBay parts. pic.twitter.com/YHN38SG9dZ

— Rory Steel (@JerseyITGuy)


Nintendo SwitchのJoy-ConやNintendo Switch Proコントローラーのスティックよりも大きく操作しやすいスティックを採用。以下のムービーでは手前のスティックを操作すると、Nintendo Switchの画面上のカメラが回転したり、主人公のリンクが走り回ったりする様子が見られます。

Controller success! Buttons tomorrow as I need a slightly larger drill bit than standard. Off the @BandQ then trials being in the morning. #accessibility @Nintendo #switch @Microsoft #adaptiveController pic.twitter.com/gxQPjZlP20

— Rory Steel (@JerseyITGuy)


以下のツイートでは、自作コントローラーに取り付けた2本のスティックの周りに青緑に光る16個のボタンが配置されている様子が見られます。このボタンはJoy-ConのA/B/X/Y/↑/↓/→/←/L/R/ZL/ZR/+/-/ホーム/キャプチャという16種類のボタンとして機能します。

That's enough for tonight. Some serious soldering and wire management tomorrow morning for some game testing in the afternoon. My daughter is desperate to try but we've kept it a secret from her brother who's been itching to play #ZeldaBreathoftheWild. @Nintendo @Microsoft pic.twitter.com/bgIC9h9aH3

— Rory Steel (@JerseyITGuy)


Steelさん自作のコントローラーの背面部分。はんだ付けとコード管理が非常に面倒だったそうです。

The #1 quality of a digital professional... Patience... Making inroads with the aid of coffee! The controller project is on target for this afternoon. #accessibility @Nintendo #switch @Microsoft #adaptiveController pic.twitter.com/U5z1xjzROe

— Rory Steel (@JerseyITGuy)


そして、完成した自作コントローラーで「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」をプレイするアヴァちゃんの様子を撮影したムービーもTwitterに投稿されています。このツイートは2020年1月19日に投稿されてから既に120万回以上再生されており、1万6000件以上リツイートされ、5万8000件以上のいいねを集めています。

Finished! Ava gives my homemade #accessibility controller V1.0 the thumbs up. She can play @Nintendo #BreathoftheWild on her #switch like her friends now. All thanks to @Microsoft ???? #adaptiveController #XAC @brycej @ArranDyslexia @shanselman pic.twitter.com/dOhGnUFZa0

— Rory Steel (@JerseyITGuy)


Steelさん自作のコントローラーを操作するアヴァちゃん。


コントローラーに連動して、リンクがハイラルの大地を自由に走り回ります。


満面の笑みを浮かべるアヴァちゃん。大満足のようです。


Steelさんが「このボタンを押してごらん」と促し……


ポチッと該当ボタンを押すと……


ゲーム上でマップが開きました。どうやらJoy-Conの「-」ボタンの役割を果たすのがこのボタンのようです。


このムービーに対して、MicrosoftでXboxブランドの責任者を務めるフィル・スペンサー氏も「信じられない。そして、なんて笑顔だ」とTwitterで反応しています。

Incredible. And what a smile. https://t.co/jRSuqolRhB

— Phil Spencer (@XboxP3)


また、海外メディアのChannel 103がSteelさんにインタビューしたところ、「私はこの粗雑なローテクデバイスを作成しましたが、インターネット上の皆さんは本当にこれを気に入ってくれたようです。LogitechとMicrosoftからは、より改善された(Steelさん自作のコントローラーの)バージョン2を作成したいというオファーを受けました」と語り、複数の企業からアプローチがあったことも明らかになっています。

加えて、「私はより高水準の技術を持った彼らの申し出を受けるつもりですが、このプロジェクトが世界中の誰もが使用できるものと想定しています。よって、私が望むのはローテク版のコントローラーで、誰でも家で自作できるようなものです。しかし、今は企業からの『コントローラーをより良くしよう』というプレッシャーがあります。このプレッシャーがどんな結果を引き起こすことになるか、誰がわかるでしょうか?」と語り、企業側の提案を受けるつもりではあるものの、プロジェクトがどのようになるかはわからないとしています。

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in ハードウェア,   動画,   ゲーム, Posted by logu_ii

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