ハードウェア

自ら電気を生み出す「バッテリーレスIoT」にぴったりなマイコンチップ「ONiO.zero」が登場


2020年には次世代通信規格である5Gが日本国内でスタートし、モノがインターネットにつながるIoTがますます注目されるようになると考えられますが、IoTデバイスも電力供給は必要であり、電力を確保できる場所にしかデバイスを置けないことがIoTの可能性を小さくする要因の一つとなっています。そんな中、電磁波によるエネルギーハーベスティングによってバッテリー不要で動作するマイコンチップがONiOから登場しています。

Technology - ONiO
https://www.onio.com/technology.html

ONiO.zero Offers Up to 24MHz of RISC-V Microcontroller Performance on Nothing But Harvested Energy - Hackster.io
https://www.hackster.io/news/onio-zero-offers-up-to-24mhz-of-risc-v-microcontroller-performance-on-nothing-but-harvested-energy-70285321d50d

ONiOが開発したバッテリー不要のマイコンチップが「ONiO.zero」です。非常に低消費電力で、自ら電力を生み出すことも可能なため、コイン型電池やリチウムイオン電池などのバッテリーが不要という特性を持っています。バッテリーを使用したデバイスはバッテリーの交換というメンテナンスが必要ですが、ONiO.zeroではそうしたメンテナンスを考えることなく何年もの間センサーやデバイスに電力を供給することができます。また、特に小型の電子機器においてはほとんどの容量を占めているバッテリーが必要ないということで、衣服や腕時計、医療用機器との親和性の高さが注目されています。

採用されているアーキテクチャはRISC-Vで、クロック周波数は使用可能な入力電圧によって変動し、1.8Vで24MHz、1.0Vで6MHz、0.8Vで1MHzとなっています。


無線通信規格にはBluetooth Low Energyが採用されており、周辺機器との通信にはI2CSPIUARTといった業界標準の通信規格を使用できます。

肝心のエネルギー源はチップ内部の高周波整流器であり、周波数は800/900/1800/1900/2400MHzのバンドに対応しています。日本国内では携帯電話の周波数帯であるバンド8・18・19が対応していることになるので、よほどの山間部でない限りはエネルギーハーベスティングにより、バッテリーレスでの稼働が可能です。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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