ツイートの分析だけでその人にピッタリな職業をオススメできるAIが現れるかもしれない
by NomadSoul1
Twitterの分析により年収・年齢・職業などを推測できる「Tweet Analytics」が2019年5月に登場しましたが、今後はさらに高度な、Twitterの投稿から「その人にピッタリな職業」をオススメしてくれるAIが登場する可能性があります。
Social media-predicted personality traits and values can help match people to their ideal jobs | PNAS
https://www.pnas.org/content/early/2019/12/10/1917942116
Unveiling New Map That Reveals The Hidden Personalities Of Jobs - Eurasia Review
https://www.eurasiareview.com/18122019-unveiling-new-map-that-reveals-the-hidden-personalities-of-jobs/
Robot career advisor: AI may soon be able to analyse your tweets to match you to a job
https://theconversation.com/robot-career-advisor-ai-may-soon-be-able-to-analyse-your-tweets-to-match-you-to-a-job-128777
シドニー工科大学でコンピューターサイエンスを教えているマリアン・アンドレイ・リゾイウ氏らの研究グループは、3513種の職に就いている約12万8000人のTwitter利用者を分析して、ツイートの内容から性格と職業の関係を調べました。具体的には、IBMの人工知能(AI)であるWatsonを使用し、対象者のツイートに使われている言葉に基づいて、「性格予測デジタルフィンガープリント」を作成して、職業ごとに分類しました。
以下が分析結果を視覚化したもので、9つの職種についている1035人の性格が5つに色分けされたドットで表現されています。職業は左から「ソフトウェア開発者」「スター科学者」「一流化学研究者」「最高情報責任者」「女性の未来派主義者」「建築家」「医師」「小学校の司書」「プロテニスプレーヤー」です。また、青いドットは「開放性」、濃いオレンジのドットは「誠実さ」、灰色のドットは「外向性」、黄色のドットは「愛想の良さ」、緑色のドットは「精神安定性」を表しており、各ドットが上部に位置すれば位置するほど、その傾向が強いことを意味しています。
例えば、一番左のソフトウェア開発者やその隣の科学者は青いドットが上の方に多く、黄色いドットが下の方にあることから、「オープンな性格だが、愛想に欠ける」ことが分かります。
また、最高情報責任者は緑色の点のドットが上の方に多く、精神が安定している傾向があるようです。
さらに、プロテニスプレーヤーはソフトウェア開発者とは対照的に、黄色いドットが上の方に多く、青いドットが下の方に分布していることから、「愛想はいいが、それほどオープンではない」ことも見てとれます。
こうした分析結果について、リゾイウ氏は「ソフトウェアプログラマーや科学者は一般に、さまざまな新しい活動を体験することにオープンであり、知的好奇心が強く、記号や抽象化について考える傾向があり、よく退屈がっていることがわかりました。一方、テニスプレーヤーは、実直で社交的かつ、愛想がいい傾向がありました」と述べました。
また、研究グループは機械学習を用いて「性格予測デジタルフィンガープリント」に基づくメドイド(他の点との非類似性を最小化できる代表的な点)を出力し、1227種類の職業をプロットした「職業マップ」を作成しました。以下がその「職業マップ」で、例えば「コンサートマネージャー」には「プロモーター」や「イベントマネージャー」などが含まれているほか、「ソフトウェアプログラマー」には「エンジニア」や「ゲーム開発者」が含まれています。なお、このリンクにアクセスすると、各ドットがどんな職業なのか分かる詳細版を見ることができます。
1227種類の職業が、20個のクラスターとしてグループ化できることから、研究グループは「驚くべきことに、職業は性格予測のみに基づいてグループ化することができました」と述べて、性格と職業の関連性を指摘しました。
こうした分析データを基に、研究グループが性格に合った仕事を推測するAIである「データ駆動型職業コンパス」を作成したところ、AIは70%以上の精度で対象者の性格から職業を推測することができたとのこと。リゾイウ氏は「このAIは、もし間違ったとしても、非常に似通った職業を示すことができました。例えば、詩人は科学技術者ではなくフィクション作家という具合です」と述べました。
論文の共著者であるマーガレット・カーン氏は「私たちの起床時間の大半が仕事で占められているとおり、仕事は人生の中核です。多くの人は自分に合った職業を望んでいます。そこで、人々がオンライン上の私生活で発信した情報からデジタルフィンガープリントを作成することで、性格にぴったりの職業を見つけ、個人にとっても社会にとっても幸福な選択を支援することが可能になります」と話しました。
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