ValveがSteamでナチス・ドイツ関連の名称や壁紙を使ったものを削除
by Caspar Camille Rubin
PCゲームプラットフォームの「Steam」を運営するValveが、ドイツの規制当局からの指摘を受け、ナチス・ドイツ関連の名称や壁紙を使用していたアカウントやコミュニティを削除しました。
German regulator prompts Valve crackdown on Steam Nazis | GamesIndustry.biz
http://www.gamesindustry.biz/articles/2019-12-11-german-regulator-prompts-valve-crackdown-on-steam-nazis
Valve Removes Nazi Steam Profiles After German Complaints
https://kotaku.com/valve-removes-nazi-steam-profiles-after-german-complain-1840370971
2019年12月9日、ドイツの規制当局であるMA HSHが「ValveのSteam上にはドイツの法律に違反したナチス・ドイツや極右のシンボルを掲げるアカウントやコミュニティが存在する」と発表しました。MA HSHの調査によると、Steam上にはナチス・ドイツのシンボルやスローガンを掲げる複数のアカウントが存在しており、これらはドイツの「Jugendmedienschutz-Staatsvertrag(青少年メディア保護州条約)」に違反しているとのことです。
具体的に、28件のアカウントで使用されていた壁紙および、30件のユーザープロフィールに、ドイツでは教育目的以外での使用が禁止されているような、ナチス・ドイツを信奉するシンボルやスローガンが使用されていたことが明らかになっています。具体的には、「Führer(ヒトラー総統)」「Holocaust(ホロコースト)」などの文言がプロフィールやアカウント名に使用されていたり、親衛隊髑髏部隊やハーケンクロイツの画像が壁紙として使用されていたりした模様。該当アカウントやコミュニティは青少年メディア保護州条約に明らかに違反しているとして、MA HSHはValveにその旨を報告しています。
MA HSHの指摘を受け、ValveはSteam上から「いくつかの例外」を除き、指摘されたアカウントやコミュニティを削除しました。さらに、より正確にコンテンツの検閲が行われるように、コミュニティモデレーターのトレーニングを強化することも約束しています。
Steamは非常に人気の高いPCゲームプラットフォームで、公式の情報によると記事作成時点では1000万人ものユーザーがオンラインに接続し、230万人がゲームをプレイしているとのことです。しかし、ValveはこれまでたびたびSteam上のコミュニティの取り扱いについて複数メディアから繰り返し批判を受けており、ヘイトへの対処の甘さを露呈してきました。なお、2017年時点では29人のボランティアと12人のValve従業員で構成されていたモデレーターチームは、記事作成時点では21人のボランティアと13人の従業員により運営されています。
なお、MA HSHは「Steam上には多くの選択肢があるため、子どもや青少年に非常に人気があります。しかし、極右の過激派は、こういったプラットフォームを使用してプロバガンダを広め、新しい支持者を得ようとしています」と記し、Valveが今後もプラットフォーム全体を健全な状態に保つことを期待しています。
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