ホバーボードに乗って患者の歯を抜いたとして歯科医が起訴される
halfpoint
患者を不必要に沈静させアメリカの医療扶助であるメディケイドを不正に請求したとして起訴されていたアラスカ州の歯科医が、「ホバーボードに乗りながら患者の歯を抜いていた」ことが明らかになりました。
IN THE DISTRICT COURT FOR THE STATE OF ALASKA THIRD JUDICIAL DISTRICT AT ANCHORAGE
(PDFファイル)http://law.alaska.gov/pdf/criminal/MedFraud/2017/041717-LookhartInfo.pdf
Prosecutors say Alaska dentist rode hoverboard at procedure
https://apnews.com/27ce19e0260f930dcbc62af8b121abfa
Dentist who rode hoverboard while pulling tooth faces patient in court | Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2019/12/dentist-who-rode-hoverboard-while-pulling-tooth-faces-patients-in-court/
アラスカの歯科医であるSeth Lookhart医師は、2016年7月にホバーボードと呼ばれるバランススクーターに乗りながら患者の歯を抜いている様子を撮影しました。実際にLookhart医師がホバーボードに乗りながら治療を行っている様子は以下のムービーで見ることができます。
"It's crazy!" - Patient of "hoverboard dentist" testifies in court
Lookhart医師は患者の歯を抜き……
そのままホバーボードで通路に出て、はめていた手袋を脱ぎ捨てる様子までを撮影。
ムービーに映るVeronica Wilhelmさんという女性患者は、治療の最中、Lookhart医師がホバーボードに乗っていることも、ムービーで自分が撮影されていることも知らされていませんでした。Wilhelmさんは法廷で「あなたはとても良い歯科医だったかもしれません。私は、自分の歯が抜かれたことについて不満はないですし、感謝しています。しかし、あなたがやったことはあり得ないことですし、ナルシスティックで、ばかげています」と語りました。Wilhelmさんは自分の息子が歯の定期クリーニングで不必要に沈静化されたことについても怒りをあらわにしました。
ホバーボードは「ミニセグウェイ」とも呼ばれるアイテムで、アメリカでは大人気となっていますが、2016年には米国消費者製品安全委員会が50万台以上のホバーボードをリコール対象としたほか、ホバーボードから転倒した少女がバスにひかれて死亡したり、火災の原因となって100万ドル(約1億円)の豪邸を全焼させたりと問題も多く指摘されています。
裁判において、Lookhart医師の担当弁護士であるPaul Stockler氏は、「治療中にホバーボードを使用したことは、完全に愚かだった」と謝罪しつつ、「これよりもずっと危険な道具を使う医師でも起訴はされていない」として、ホバーボードの使用により処罰されることに対し反論しました。なお、Lookhart医師は数件の医療援助詐欺と違法な歯科医行為で起訴されており、2017年には歯科医の免許を剥奪されているとのことです。
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