Raspberry Pi 4の「特定の解像度でWi-Fiが不安定になる」問題を実際に検証してみた
2019年6月に海外で発売され、2019年11月からは技術基準適合認定(技適)を通過して日本国内でも販売されているシングルボードコンピュータ「Raspberry Pi 4」には画面出力を特定の解像度に設定すると、Wi-Fiがつながりにくくなる問題が発生しています。どんな問題が起こっているのか、実際にテストして確かめてみました。
Raspberry Pi 4 Wi-Fi problem: Firmware update will fix your screen resolution bug | ZDNet
https://www.zdnet.com/article/raspberry-pi-4-wi-fi-problem-firmware-update-will-fix-your-screen-resolution-bug/
Raspberry Pi 4 WiFi stops working at 2560x1440 screen resolution
https://www.enricozini.org/blog/2019/himblick/raspberry-pi-4-loses-wifi-at-2560x1440-screen-resolution/
こちらが購入したRaspberry Pi 4。
今回問題となっているのは、「Raspberry Pi 4で画面出力を2560x1440の解像度に設定すると、2.4GHz帯のWi-Fiにつながりにくくなることがある」ということ。Raspberry Pi 4を4Kモニタにつないで検証を開始。
2.4GHz帯のWi-Fi接続元には、モバイルルーターの「Pocket WiFi 504HW」を使いました。
Raspberry Pi 4から出力する画面の解像度は初期状態では3840x2160に設定されていました。
解像度が3840x2160の状態では、Wi-Fiへの接続を確認できました。
次に画面出力を「2560x1440」に設定します。解像度を選択するメニューには対象の解像度が表示されていなかったので、以下のコマンドを入力。
sudo xrandr --newmode "2560x1440" 146.25 2560 2680 2944 3328 1440 1443 1448 1468 -hsync +vsync
sudo xrandr --addmode HDMI-1 "2560x1440"
実行すると、解像度を変更するメニューに「2560x1440」の項目が現れるので、解像度を変更します。
Wi-Fiの接続状況を確認したところ、接続が確立できず不安定な状態となっていました。
今回の問題は「Raspberry Pi 4から出力する画面の解像度を2560x1440に設定すると、Raspberry Pi 4から2.4GHz帯に近い電波が出るため、2.4GHz帯のWi-Fiと干渉する」ことが原因とのこと。スペクトラムアナライザーのWi-Spyを使って、実際に電波が出ているのか確かめてみます。
こんな感じでHDMI付近にWi-Spyを近づけて確認。
グラフは縦軸が電波の強さ、横軸が周波数、オレンジ色の線はモバイルルーターの電波が該当するチャンネルのエリアとなっていて、色が暖色になるほど強い電波が出ていることを表します。3840x2160の解像度では、モバイルルーターのチャンネルエリアには特に強い反応はありません。
続いて解像度を2560x1440に設定してみると、画面に反応がありました。モバイルルーターのチャンネルエリアで強い電波が発生しており、Raspberry Pi 4から発生している電波とWi-Fiが干渉している可能性が高そうであることが確認できました。
Raspberry Piの公式フォーラムでも同じような問題が報告されており、パッチによって対策が行われる可能性があります。
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