レビュー

無線LANの混み具合を解析してグラフで表示する「Wi-Spy」実機レビュー


「無線LANの電波を受信できない!」、「通信速度が遅くなった!」という事態が自宅やオフィスで発生した場合、原因は電波干渉かもしれません。PCやスマートフォンなどが対応している無線LAN IEEE 802.11a/b/g/nが使用する無線帯域はBluetoothZigbeeHomeRF、音響機器などが使うものでもあり混雑しています。また、付近にあるコードレス電話や電子レンジ、ワイヤレスヘッドフォン、モバイルルーターなどからの干渉も速度低下の原因になり得ます。

という訳で、無線LANを設置する時は周囲の電波状況を把握して干渉の少ない設置場所を選ぶのがベター。そして、そんな際に便利なのがMetageek社が販売しているUSBタイプの電波解析デバイス「Wi-Spy DBx(599ドル/約4万9000円)」。他の無線LAN機器だけでなく、家電製品などからの電波干渉も見つけられるので便利です。

Wi-Spy Spectrum Analyzer by MetaGeek, makers of inSSIDer | MetaGeek


米国のサイトですが日本向けの発送も行なっており、送料込みの価格は635.32ドル(約5万1000円)です。


◆フォトレビュー

国際郵便で到着。


パッケージはこんな感じ。


「パカッ」と開けると中に電波を受信するのに使うアンテナが入っています。


内容物は本体とソフトウェアのインストール用CDと使用上の注意が書かれた紙。


外見は少し大きめのUSBメモリにアンテナが生えたような感じ。


受信可能帯域は2.400から2.495GHzと5.150から5.850GHzです。


アンテナ3段階で角度を調節可能。


以下のように、PCのUSB端子と接続して使用します。


◆インストール

電波の解析を行なうには専用ソフト「Chanalyzer 4」のインストールが必要。付属のCDからもインストーラーを入手できますが、発売元のサイトから最新版をダウンロードしたほうがアップデートの手間を省けるのでラク。なお、対応OSはWindows 2000、XP、Vista、7です。

以下のページにアクセスすると自動でダウンロードが始まります。

Chanalyzer 4 Download | MetaGeek


インストーラーをダブルクリックして起動



「Next」をクリック



「Agree」にチェックを入れて、「Next」をクリック



「Next」をクリック



「Next」をクリック



以下のように自動でインストールが進行します



「Close」をクリックすればインストールは完了



◆使ってみた

「Wi-Spy」を接続したPCで「Chanalyzer 4」を起動すればスグに周囲の電波状況を調べることができます。

スタートメニューから「すべてのプログラム」を開き、「MetaGeek」フォルダの中にある「Chanalzer 4」をクリック。


起動時の画面は以下の通り。下段には周囲にあるアクセスポイントの一覧が表示されています。


上段のグラフは縦軸が周波数、横軸がWiFiのチャンネルで、赤いドットは特に強い電波を検出している箇所です。


アクセスポイントの一覧から表示したいものを選んでチェックを入れると、上段のグラフに囲いができて、どのアクセスポイントがどのエリアに該当するかがわかります。なお、下の画像では4チャンネルを使用するアクセスポイントが複数あるので混み合っている一方、11チャンネルなどは比較的干渉が少ない、ということが一目でわかります。


また、下段のグラフでは時系列順にどのチャンネルに強い電波を検出しているかを表示。下の画像では6や10から13チャンネルあたりが空き気味であることがわかります。


以下のようにコードレス電話などを近くで使用すると……。


ほぼすべてのチャンネルを横断するようにドットが表示され、干渉が発生していることがわかります。


作動中の電子レンジに近づけてみると……。


全てのチャンネルが非常に強い干渉を受けています。


ちなみに、屋外に出て計測してみたところ……。


それほど強くはありませんが、全チャンネルが電波を拾っていることがわかります。


また、画面の最下段にあるスライダーを動かすことで、任意の期間のグラフを表示できるので、過去にさかのぼって電波が乱れている時間を特定することが可能。「食事時の前に頻繁にノイズが出ているので、調理に使う電子レンジが原因かも?」といった予測をたてることができるようになります。


なお、これらのグラフは「File」から「Save」を選べば保存できます。


また、ソフトには典型的なグラフのサンプルが収録されており、データを再現してみることが可能。

以下は6チャンネルを強力な無線LANが使用している場合。


全チャンネルが混み合っている場合はこんな感じになります。


なお、バージョンが違うようですが「Chanalyzer 4」を使用してるムービーは以下で見られます。

Chanalzyer 4 improvements - YouTube


無線LANを設置する際に自宅やオフィスの回りの電波の混み具合を正確に把握したい、という場合は購入を検討してみてください。

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in レビュー,   ソフトウェア,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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