Microsoftの収益が前年同期比で14％増加、一方でXboxやSurface市場は伸び悩む

by efes

Microsoftは2020年度第1四半期の決算で、アナリストの予想である323億2000万ドル(約3兆5000億円)を上回る331億ドル(約3兆6000億円)の収益を達成したと報告しました。その背景にはMicrosoftのクラウドサービスプラットフォームであるAzureの好調があると報じられています。

FY20 Q1 - Press Releases - Investor Relations - Microsoft
https://www.microsoft.com/en-us/Investor/earnings/FY-2020-Q1/press-release-webcast

Microsoft beat expectations with strong Windows revenue, but Xbox had a rough quarter | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2019/10/microsoft-beat-expectations-with-strong-windows-revenue-but-xbox-had-a-rough-quarter/

Microsoftによると、331億ドルという収益は前年同期と比べて14％増加しているとのこと。また、営業利益は前年同期比で27％増加となる127億ドル(約1兆3800億円)、純利益は前年同期比で21％増加の107億ドル(1兆1600億円)を計上しています。またEPS(一株当たり利益)は1.38ドル(約150円)で、前年同期と比べて21％の増加となっています。

Microsoftの収益の大部分は、Azureの成功が担っています。実際、「Intelligent Cloud」部門の収益は108億ドル(約1兆1700億円)で、前年同期比27％の増加をみせています。特にAzureの収益は前年同期から59％増加しているとのこと。

2019年第4四半期の決算では、Azureの収益は前年同期比64％増加の成長を見せていたことから、アナリストや投資家は「Azureの伸びは減速している」と予想していますが、Amazonの四半期決算でもAmazon Web Serviceの成長が鈍化していたため、クラウドサービス業界全体が飽和状態になりつつあると考えられます。

by Rainer Stropek

また、OfficeやLinkedInなどのソフトウェアプロダクトやサービスをまとめた「Productivity and Business Processes」部門は全体で108億ドル(約1兆9000億円)の収益で、前年同期比で27％の増加をみせたとのこと。特にOffice 365 Businessの収益が25％増加したことで、Office部門の収益は前年同期から13％増加しているそうです。Microsoftによると、Office 365のSaaSには3560万人が加入しているとのこと。

ゲームや各種ハードウェア、Windowsをまとめた「Personal Computing」部門の収益は111億ドル(約1兆2000億円)と過去最高収益を記録する一方で、ゲームビジネスは好調とはいえない様子。

Xboxプラットフォームは好調に推移しているものの、据置ゲーム機の売り上げ台数は依然として変わらず、Xboxコンテンツとサービスの収益に大きな変化はないとMicrosoftは述べています。技術系メディアのArs Technicaは、「2020年にPlayStation 5やXboxの新型が発売されると予想されているため、ゲームプラットフォームの成長が鈍化するのは予想されていたことです」とコメントしています。

by Anthony

また、Surfaceは収益が前年同期から4％減少したとのこと。ただし、前年同期はSurface Goが発売されたばかりだったことを考慮すべきだとArs Technicaは指摘していますが、「いずれにせよ、SurfaceはMicrosoftの収益にはそれほど寄与していません」と述べました。