アート

NASAが無料で超高精度の月のCGIデータを「CGI Moon Kit」として配布


アメリカ航空宇宙局(NASA)がアーティスト向けに3Dレンダリングソフトウェアで使用するために設計された高精度の月のCGIを「CGI Moon Kit」として無料配布しています。CGI Moon Kitはただの画像ではなく深度データを含むデータセットで、非常に精細な月の3Dマップが簡単に作成可能です。

SVS: CGI Moon Kit
https://svs.gsfc.nasa.gov/4720

NASA shares 3D Moon data for CG artists and creators | TechCrunch
https://techcrunch.com/2019/10/05/nasa-shares-3d-moon-data-for-cg-artists-and-creators/

CGI Moon Kitを制作したのはゴダード宇宙飛行センターのアーニー・ライト氏らの専門家グループ。月のCGIデータは10年以上にわたり月の周回軌道上にあるルナー・リコネサンス・オービター(LRO)に搭載されたカメラ(LROC)で撮影した画像データを利用して作成されています。LROCが1度に撮影できるエリアは月面のごく一部ですが、LROは月を周回するため、周回の間に撮影した複数の写真を合成して1つのデータにすることで「月面の可視領域」を1つの画像データとすることに成功しています。ただし、CGIにできるのは可視領域のみであり、月の影に当たる領域はデータ化できていません。

画像は24ビットRGBのTIFFファイルもしくはJPEGファイルでダウンロード可能。ダウンロード可能なデータの最大サイズは2万7360×1万3680ピクセル・494.1MBと非常に巨大。


LROは月面の画像データだけでなく、レーザー高度計のLOLAを用いることで深度データも計測しています。LOLAはパルスレーザーを月面に放ち、このレーザーが戻ってくるまでの時間と強度を計測することで、月面の凹凸の詳細や月面を覆う素材に関するデータを分析。これにより、月面の特定部分が硬い岩で覆われているのか、柔らかなレゴリスで覆われているのかなどがわかるようになるそうです。

LOLAの深度データを活かして作成された、月のディスプレイスメントマップも配布されています。ディスプレイスメントマップは球体の表面に貼り付けるテクスチャとして使用することで、月面の凹凸などがリアルに表現された高精度な月のCGが作成できるようになる模様。

配布されているデータを用いて月のCGを作成するイメージをGIF画像にしたもの。


なお、公開されている月のCGIは科学分野で利用するためのものではなく、アート分野で利用することを想定して最適化されたもの。そのため、科学系のアプリケーションで月のCGIデータを利用したい場合は、別のソースデータを利用することが推奨されています。

海外メディアのTechCrunchは、月のCGIデータをNASAが無料公開したことについて、「他の目的で集められた月面データが3Dアーティストに人気であることを証明した」と記しています。

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in アート, Posted by logu_ii

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