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「パンデミックが発生した時に有利な国ランキング」が発表、日本は5位という結果に

by Daniel Jensen

「ゾンビが大量発生して世界が滅亡」「未知の感染症が広がり人類存亡の危機」といったシチュエーションは決してフィクションの中だけの出来事ではなく、現実に大規模なパンデミックが到来して世界が危機に瀕する可能性はゼロとはいえません。ニュージーランドの研究者はパンデミックが発生した事態を想定し、文明度や食糧自給率なども考慮して「パンデミック到来時に有利な国ランキング」を作成しています。

The Prioritization of Island Nations as Refuges from Extreme Pandemics - Boyd - - Risk Analysis - Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1111/risa.13398

If an Extreme Global Pandemic Hits, These Are The Safest Places You Can Be
https://www.sciencealert.com/if-an-extreme-global-pandemic-hits-these-are-the-safest-places-you-can-be


Scientists rank safest spots to flee to if apocalyptic outbreak begins to wipe out humanity – The Sun
https://www.thesun.co.uk/tech/10050288/scientists-rank-safest-spots-to-run-to-if-apocalyptic-outbreak-begins-to-wipe-out-humanity/

ニュージーランド・オタゴ大学で公衆衛生学教授を務めるニック・ウィルソン氏は、「バイオテクノロジーの発見により、遺伝子組換えによるパンデミックが人類の生存を脅かす可能性が出てきました」と、SF映画やホラー映画のような緊急事態が決してあり得ない話ではないと主張。

しかし、パンデミックが発生したからといって全人類が存続を諦めてしまう必要はなく、パンデミック発生時に運よく自分が安全な場所にいた場合、人類の再建を助けられる可能性があります。そこでウィルソン氏は、パンデミックが発生した時に安全な場所を分析する研究を行いました。

「病原菌の感染者は陸地の境界線を簡単に越えることができますが、自給自足できる閉鎖された島は、パンデミック後に生き延びることが可能な技術を持った人口を維持することができます」とウィルソン氏は述べ、パンデミックに対して強いのは孤立した島であると指摘。なお、過去の研究でウィルソン氏は、よく組織化された島国はパンデミック時に国境を封鎖可能だとも述べています。その一方で、小さすぎる島は外部から孤立しているものの、多様な技術専門家を保有しておらず、現代の文明を再構築するには向いていないとのこと。

by Pexels

ウィルソン氏は研究にあたり「パンデミック後に社会の文明を再建できる場所を探す」という目的を定め、他の国と陸地や橋で国境が接しておらず、国連によって認められた「人口25万人以上」の主権国家のみを考慮の対象としました。また、「人口分布における特徴」「パンデミック発生時の地理的な安全性」「天然資源の利用可能性」「国の政治的・社会的特徴」についても考慮し、最低が「0」、最高が「1」のスコアで採点を行ったとのこと。

研究により判明した、パンデミック時に安全な上位20カ国を地図で示したのが以下の画像。1位がオーストラリア(スコア:0.71)、2位がニュージーランド(スコア:0.68)、3位がアイスランド(スコア:0.64)となっており、他の国々より特に安全で効果的な避難所として機能し、パンデミック後の文明再建に有利だとされています。それ以外の国々はスコアが0.5を下回り、4位がマルタ(スコア:0.47)、5位が日本(スコア:0.46)と続いています。


「それほど驚くことではありませんが、GDPや食料・エネルギーの自給率が高く、他の国から遠く離れた場所にある国ほどいい結果でした」とウィルソン氏らは述べています。なお、日本のスコアがそれほど伸びなかった理由としては、ロシアなどユーラシア大陸の国々と比較的近接している点や、島国の中では広大な国土を有している一方でエネルギーの自給率が低い点などが挙げられるとのこと。

ウィルソン氏らはパンデミック後の文明再建も念頭に置いた分析を行いましたが、将来の気候変動なども考慮に入れることで、さらに分析結果を改善できる可能性があると指摘。分析結果が役立つ日がくる可能性はそれほど高くありませんが、「これは保険のようなものです」とウィルソン氏は述べ、万が一の場合に備えて事前の戦略を立てておくことが重要だと述べました。

by TheDigitalArtist

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in メモ, Posted by log1h_ik

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