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これが本当に最後のレッドブル・エアレース千葉2019は室屋選手の逆転優勝でフィナーレ、決勝戦の様子を速攻レポ


2019年度のシリーズで終了となる「空のF1」ことレッドブル・エアレース・ワールドシリーズのファイナルチャンピオンシップ「レッドブル・エアレース千葉2019」の決勝レースが2019年9月8日(日)に千葉県の幕張で開催されます。2度目の総合優勝を狙う室屋義秀選手をはじめ、14人のトップパイロットがその腕を競う決勝レースの様子を実際に現地で見てきました。

レッドブル・エアレース千葉2019 特設サイト
https://www.rbar.jp/


レッドブル・エアレース千葉2019のフライトコースはこんな感じ。画像左からコースに入り、パイロンの間をすり抜けながら1.5往復し、最後に右にあるFinish Air Gateに入ると終了。レースはタイムを計測しますが、ゲート通過時の姿勢不良や、機体にかかるG(重力加速度)や速度の超過、パイロンへの接触があるとペナルティとしてタイムが追加されてしまいます。


決勝戦当日は台風15号接近の影響でスケジュールが大幅に変更され、マスターズクラスの決勝レースが前倒しになり、チャレンジャークラスの決勝レースは中止となったことが告知されました。


2017年にアジア人として初めて年間チャンピオンの座に輝いた室屋義秀選手は、総合で暫定3位(55ポイント)となっています。7日に行われた予選レースでは57秒570というタイムで5位を記録。室屋選手は予選を受けて「風のせいでゲート2を抜けるのが難しかったですが、今日のコンディションの中ではベストを尽くせたと思います。ソンカからはさらに2ポイント離されてしまいましたが、明日はベストを尽くします。結果はそのあとです」とコメントしました。


チャンピオンの最有力候補は、総合で暫定1位(67ポイント)のマルティン・ソンカ選手。7日の予選レースでは、57秒879というタイムで2位に着きました。予選を終えてソンカ選手は「実に興味深いレーストラックだ。トレーニングと予選で風向きがほぼ90°変化したのでラインも変わった。予選の結果には大いに満足している。首位に立てなかったのは残念だが、全員がとても速かったことを考えれば良い結果だ」とコメントしています。


また、総合で暫定2位(61ポイント)のマット・ホール選手は「マルティン(ソンカ選手)がとても速いので、巻き返してチャンピオンを獲るのは難しくなりそうだ。予選は後半に向けてタイムが落ちたので、ヨシ(室屋選手)と自分がポイント圏外になったあとは、マルティンもポイントを逃すだろうと予想していた。マルティンの1本目終了時点ではその通りになるはずだったが、2本目のマルティンは素晴らしいタイムを記録した。レース機体や自分のライン、フライトスタイルを見直す必要がある。自分のフライトには満足している。あれ以上タイムを削れたとは思えない。大事なのは明日だ」とコメントしています。


入場口があるZOZOマリンスタジアムには、開場前から長蛇の列ができていました。


開場直後のレーストラックでは、マスターズクラスの選手が10時から始まる決勝レースに備えて練習飛行を行っていました。


◆ROUND OF 14
10時5分、マスターズクラスの決勝戦がスタート。決勝は14人の選手によるトーナメント戦で、第1レースの「ROUND OF 14」はイギリスのベン・マーフィー選手と室屋選手のマッチでスタート。マーフィー選手のタイムは57秒897で、ノーペナルティ。


対する室屋義秀選手もノーペナルティでコースクリアとなりましたが、タイムは57秒912。マーフィー選手のタイムと0.015秒差で、室屋選手はここで惜敗となりました。第2レースの「ROUND OF 8」に進むことができるのは、ROUND OF 14の勝者である7人と敗者の中で最速タイムを記録した「Fastest Loser」1人のみ。もし室屋選手がFastest Loserとなれば、ROUND OF 8へ進出できます。


優勝候補と目されたソンカ選手は、ニコラス・イワノフ選手と対戦。58秒518を記録したイワノフ選手に対して、ソンカ選手は13番ゲートでG(重力)オーバーによってペナルティ1秒が追加され、58秒808とわずか0.290秒遅れるタイムで敗北。この時点でソンカ選手の決勝戦敗退が決定しました。


アメリカのカービー・チャンブリス選手と、予選レースで最速タイムをたたき出したフアン・ベラルデ選手のマッチでは、57秒306という好タイムでチャンブリス選手の勝利。敗退したベラルデ選手のタイムは58秒180だったため、室屋選手は敗退者の中で最速タイムを出した「Fastest Loser」としてROUND OF 8に進出することが決定しました。


最後の決着がついた直後にハンガーで崩れ落ちる室屋選手が中継モニターに映りました。


ROUND OF 16終了後、海上自衛隊の救難飛行艇US-2が幕張の海上に登場。観客の前で着水と離水の瞬間を見せてくれました。


実際にUS-2の離水する瞬間が以下のムービー。

【レッドブル・エアレース千葉2019】海上自衛隊の救難飛行艇US-2が千葉の海から離水する一部始終 - YouTube


スケジュールの変更により、チャレンジャークラスの決勝レースは中止となったため、暫定1位だったドイツのフロリアン・バーガー選手がチャレンジャークラスの年間総合チャンピオンとなり、表彰台のトップに上りました。


◆ROUND OF 8
マスターズクラス1戦目はベン・マーフィー選手(イギリス)とピート・マクロード選手(カナダ)の対決。マーフィー選手はパイロンへの接触とゲート通過時の姿勢でペナルティとして合計5秒が追加され、1分4秒248というタイム。


一方、ノーペナルティで58秒349でクリアしたマクロード選手の勝利となりました。


2戦目は室屋義秀選手とフランソワ・ルボット選手。先攻の室屋選手はノーペナルティで、57秒895というタイムでコースクリア。


一方、ルボット選手はゲート通過時の姿勢とパイロンヒットで5秒追加のペナルティを受けてしまい、1分2秒963というタイムで敗退。この時点で室屋選手のファイナルレース進出が決定し、年間総合チャンピオンの可能性がでてきました。


3戦目はニコラス・イワノフ選手(フランス)とカービー・チャンブリス選手(アメリカ)の対戦。イワノフ選手は59秒096のタイムでノーペナルティでのコースクリア。


チャンブリス選手もノーペナルティでコースをクリア。58秒726というタイムを記録してファイナルレース進出を決めました。。


そして4戦目はミカエル・ブラジョー選手(フランス)と、暫定で総合2位(61ポイント)に着いているマット・ホール選手(オーストラリア)の対戦。ブラジョー選手は13番ゲートを通過する際のGをオーバーし、ペナルティとして1秒を追加されました。結果は59秒731のタイム。


対するホール選手はノーペナルティで、58秒606というタイムでコースクリアし、勝利となりました。


◆ファイナル
トップバッターは室屋選手。スムーズな飛行を見せてノーペナルティでクリア。タイムは58秒630。


実際に室屋選手がファイナルで見せたフライトは以下のムービーで見ることができます。

【レッドブル・エアレース千葉2019決勝】室屋義秀選手 - YouTube


続いてマクロード選手のフライト。順調な滑り出しを見せますが、2番ゲートでパイロンにヒットしてしまいます。


さらに12番ゲートを水平に通過することができず、合計5秒追加のペナルティを受けて、結果は1分4秒028というタイムとなりました。


そして3番目に飛ぶのはチャンブリス選手。


チャンブリス選手はノーペナルティで59秒601というタイムでクリアし、室屋選手に次ぐタイムを記録しました。


そして室屋選手と年間総合チャンピオンの座を争うホール選手が見せたフライトが以下のムービー。

【レッドブル・エアレース千葉2019決勝】マット・ホール選手 - YouTube


ホール選手はノーペナルティでコースクリアとなりましたが、タイムは1分0秒052。ホール選手のファイナルでの結果は3位の成績となりました。


この時点で、室屋選手のレッドブル・エアレース千葉2019優勝が決定しました。ただし、2019年度総合順位はホール選手が81ポイント、室屋選手が80ポイントと、1ポイント差でホール選手が2019年度総合チャンピオンとなります。室屋選手は「Fastest Loserからの千葉大会逆転優勝」という最後のレッドブル・エアレース・ワールドにふさわしい劇的な展開で、見事に有終の美を飾りました。


レッドブル・エアレース千葉2019のマスターズクラス・チャンピオンのトロフィーを持って、記者会見の場に登壇する室屋選手。


室屋選手はマット選手と健闘をたたえあいながらハグを交わしました。

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in 取材,   乗り物, Posted by log1i_yk

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