科学の力で「おいしさそのままな低脂肪ポテトチップス」が開発される
By Dream79
ポテトチップスは食べ出すと手が止まらなくなるほどおいしいものですが、脂質が多いために不健康な食品であることも知られています。そんな中、おいしさをキープしたまま使用する油を減らしたポテトチップスが科学の力によって開発されました。
Enabling the Rational Design of Low-Fat Snack Foods: Insights from In Vitro Oral Processing | Journal of Agricultural and Food Chemistry
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.jafc.9b02121
Designing a better low-fat potato chip
https://phys.org/news/2019-08-low-fat-potato-chip.html
ポテトチップスの魅力の1つは、そのパリッとした食感です。ポテトチップスに使用される油を減らすと、このパリッとした食感が出なくなり、魅力が減ってしまいます。ペプシコーラで有名なペプシコ所属のステファン・K・バイエル氏率いる研究チームは、ポテトチップスの食感に関する定量的な分析を行うため、人がものを食べるプロセスを模した計測機器での測定を行いました。
研究チームが行った測定は、「最初のひと噛み」「ポテトチップスが唾液で濡れた後、歯によって粉砕される」「唾液中の酵素がポテトチップス中のデンプンを消化して、柔らかく粒子化したポテトチップスが一体化する」「凝縮された塊が飲み込まれる」という、人がものを食べる際の4つのステップに関するもの。研究チームは、最初のひと噛みの食感を調べるために、ポテトチップスを破砕するのに必要な力を機械測定し、粒子化したポテトチップスが一体化する際の食感を調べるために、軟化したポテトチップス粒子の水和速度の計測などを行いました。
研究チームは実験で得られたデータを使って、通常の低脂肪ポテトチップスを調味油を薄膜してコーティングするという手法を開発。この手法のために必要になる追加の油はわずか0.5%にも関わらず、調味油コーティングした低脂肪ポテトチップスは通常のポテトチップスに近い味と食感になったそうです。
By lyulkamazur
研究チームは、各種計測データと食感やおいしさといった知覚との関連付けに今回の計測データが役立つとしています。
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