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Facebookが5400億円の制裁金支払いで連邦取引委員会と和解協定、プライバシー関連では過去最高額

by mkhmarketing

反トラスト法(独占禁止法)に基づいて企業を監督・監視する連邦取引委員会(FTC)は、Facebookに対して50億ドル(約5400億円)の制裁金の支払いを科し、Facebookがこれに同意したことを2019年7月24日付けで発表しました。個人情報の取り扱い問題に関してFTCが科した制裁金としては、今回の50億ドルは過去最高額となります。

FTC Imposes $5 Billion Penalty and Sweeping New Privacy Restrictions on Facebook | Federal Trade Commission
https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2019/07/ftc-imposes-5-billion-penalty-sweeping-new-privacy-restrictions


FTC Agreement Brings Rigorous New Standards for Protecting Your Privacy | Facebook Newsroom
https://newsroom.fb.com/news/2019/07/ftc-agreement/


FTC hits Facebook with $5 billion fine and new privacy checks - The Verge
https://www.theverge.com/2019/7/24/20707013/ftc-facebook-settlement-data-cambridge-analytica-penalty-privacy-punishment-5-billion


今回の制裁については、「Facebookが個人情報と顔認証機能でユーザーを誤解させているとして、FTCが50億ドルの制裁金を科す見込みだ」と、2019年7月23日にワシントン・ポストが報じていました。

Facebookは電話番号と顔認証機能の扱いでユーザーを欺いていたと連邦取引委員会が判断 - GIGAZINE


FTCは50億ドルもの制裁金を科した理由として、2012年11月にFacebookがFTCとの和解協定の中でプライバシーの見直しと第三者機関による査察を義務づけられたにも関わらず、プライバシーの取り扱いについて全く改善がみられなかったことを挙げています。2018年に発覚した、Facebookがコンサルティング企業のCambridge Analyticaによって5000万人分のユーザーデータを不正利用された事件は、Facebookの個人情報取り扱い能力に再び疑問視されるきっかけとなり、FTCは事件発覚直後からFacebookを調査を行っていたとのこと。

5000万人のユーザーデータを不正利用されたFacebookのザッカーバーグCEOが間違いを犯したと認める - GIGAZINE


また、FTCは制裁金に加えて、開発するすべての新製品・サービスの個人情報に関するレビューを毎四半期にCEOと第三者の評価者に提出する義務をFacebookに命じました。


FTCの委員長であるジョー・シモンズ氏は「Facebookは世界中の何十億人ものユーザーに対して『個人情報の共有方法を自分で制御できる』と約束してきたにもかかわらず、消費者の選択肢を狭めてしまいました。50億ドルの罰金と広範な行為に対する救済措置は、FTC史上前例のないものであり、今後のプライバシー侵害行為を処罰するだけでなく、さらに重要なこととしてFacebookのプライバシー文化全体を変え、継続的な違反行為の可能性を減らすことを目的としています。FTCは消費者のプライバシーを重視しており、法律が許す最大限の範囲でFTCの命令を執行します」と述べました。

Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは、2019年7月24日の朝に行われた全社集会の中でこの和解協定について発言。「今回の和解協定によって、私たちが自分たちの仕事に取り組む方法を根本的に変える必要があり、会社のあらゆるレベルで製品を作る人々はこれまで以上の大きな責任が課されるでしょう」と述べています。ザッカーバーグCEOが語る様子は以下のムービーで見ることができます。




ただし、和解協定の中にはFacebookの幹部に対する包括的な免責が含まれていて、Facebookのビジネスモデルに対する実質的な制限が明言されていません。そのため、FTCの委員の一部は「Facebookが2012年の和解協定に違反した原因となる根本的な問題が未解決です。和解は会社の構造や金銭的インセンティブに意味のある変更を課すものではありません」と批判し、Facebookとの和解に反対しています。

さらにFacebookは、Cambridge Analyticaの件で調査中の証券取引委員会と和解するために、1億ドル(約108億円)の罰金を支払うことに合意したと述べています。

Facebookへの罰金とは別に、FTCはCambridge Analyticaのアレキサンダー・ニックスCEOと個人情報を横流ししたアレクサンダー・コーガン氏との和解を2019年7月24日付けで発表。Cambridge Analyticaとコーガン氏は、「将来の事業運営を制限して、収集した個人情報の削除と廃棄を行う」という行政命令に同意したとのこと。なお、Cambridge Analyticaは破産を申請しているそうです。

FTC Sues Cambridge Analytica, Settles with Former CEO and App Developer | Federal Trade Commission
https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2019/07/ftc-sues-cambridge-analytica-settles-former-ceo-app-developer

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