Facebookのメッセージアプリに構造上の欠陥があり子どもが不正なユーザーとチャットする事態に
Facebookが提供する子ども向けメッセージアプリ「Messenger Kids」は、Facebook Messengerと同様にメッセージのやり取りや写真の送受信などが可能ですが、親が許可したユーザーとしかチャットできないようにすることが可能なペアレンタルコントロール付きのメッセージアプリです。しかし、Messenger Kidsアプリを使って「親が許可していないユーザー」と子どもがチャットできてしまう欠陥があったと、The Vergeが報じました。
Facebook design flaw let thousands of kids join chats with unauthorized users - The Verge
https://www.theverge.com/2019/7/22/20706250/facebook-messenger-kids-bug-chat-app-unauthorized-adults
Messenger Kidsアプリは「子どもたちが親の許可していないユーザーと話すことはできない」という、非常に単純な原則に基づいて構築されています。ユーザーは名前のみで登録可能であり、アプリ内広告もないため広告目的のデータ収集も行われず、親が子どもの会話できる範囲をコントロールできるとうたわれていました。
しかし実のところMessenger Kidsの「グループチャット機能」を使い、子どもが親から許可されていないユーザーともチャットできてしまう状態だったことが明らかになりました。グループチャットを立ち上げた人は、自分の親から承認されているユーザーをチャットに招待できます。しかし、立ち上げた人が承認しているユーザーが、チャットに招待された他のユーザーからも承認されているとは限りません。
つまり、グループチャットを立ち上げた人からの招待であれば誰でも参加できてしまったため、それぞれの親が承認していないユーザーであっても、グループチャット内で会話可能となっていたというわけ。
by Pixabay
2019年7月、Facebookはひっそりと不正なユーザーが混在していたグループチャットを削除し、ユーザーの親に対して通知を行ったとのこと。Facebookが親に送ったメッセージには、「私たちはお子様の友人が作ったグループチャットで、お子様が承認されていないユーザーとチャットできてしまう技術的欠陥を発見しました。すでにグループチャットはオフになっており、今後このようなことが起きないようにしていきます」と述べられています。
アプリがリリースされた2017年12月以降、どれほどの期間にわたって構造的なバグが存在していたかは不明ですが、Facebookによると数千人の子どもたちが不正なユーザーの混じったグループチャットに参加していた模様。
Messenger Kidsは13歳未満の子ども向けのアプリであり、子どものオンラインプライバシー保護法(COPPA)の対象となるためにプライバシー的な欠陥は法的な問題となりかねません。すでに一部のプライバシー団体は「Messenger Kidsはユーザーデータを収集しており、COPPAに違反している」と非難しており、今後さらに追及が激しくなる可能性があると指摘されています。
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