月面4番乗りを目指したインドのチャンドラヤーン2号が発射時刻1時間前に打ち上げ中止

インド宇宙研究機関(ISRO)は、2019年7月15日午前2時51分(日本時間の午前6時21分)に予定していたインドの月面探査機「チャンドラヤーン2号」の打ち上げを中止したと発表しました。当局は打ち上げ中止を「技術的な問題」のためとしていますが、原因の詳細は明らかになっていません。

Fuel leak in cryogenic engine led to Chandrayaan 2 mission's call off moments ahead of launch: Isro | India News – India TV
https://www.indiatvnews.com/news/india-chandrayaan-2-launch-aborted-due-to-leakage-in-engine-new-date-for-moon-mission-launch-isro-535201

India races for launch fix after Moon mission aborted | AFP.com
https://www.afp.com/en/news/3954/india-races-launch-fix-after-moon-mission-aborted-doc-1ir9d73

After Delay of Chandrayaan-2 Launch, Indians Are Disappointed but Confident - The New York Times
https://www.nytimes.com/2019/07/15/world/asia/india-moon-rocket-launch-delayed.html

インド宇宙研究機関(ISRO)は2019年6月12日に開かれた記者会見で、「2019年7月15日にインド製月面探査機を搭載したロケットを打ち上げる」と発表しており、これが成功すればインドは世界で4番目に月面へ軟着陸した国家になると期待されていました。

インドが「第4の宇宙大国入り」を目指す宇宙進出計画の全容が明らかに - GIGAZINE

しかし、打ち上げの予定時刻だった午前2時51分(日本時間の午前6時21分)の56分24秒前に、突如カウントダウンタイマーがストップ。

ISROは公式Twitterアカウントでの投稿により、「打ち上げの1時間前に技術的な問題が発見されたため、予防的措置として打ち上げを見合わせることを決定しました」と発表しています。

調整後の打ち上げ日程は後日改めて公表する予定だとのことですが、India TVが入手した未確認の情報によると、打ち上げは2019年8月になる可能性が非常に高いとのこと。また、AFP通信の取材を受けたインド防衛研究開発機構のラヴィ・グプタ氏は「慎重を期した打ち上げ延期は英断だった」と評価する一方で、「打ち上げは長ければ2～3カ月延期されるのではないか」との見解を述べています。

当局はチャンドラヤーン2号を搭載したロケットの打ち上げが中止された原因を明らかにしていませんが、India TVの報道によると、「ロケットのエンジンで燃料漏れがあった可能性が高い」とのこと。問題が見つかったGSLV-IIIロケット、通称バーフバリはISROが開発した純インド産ロケットで、今回のミッションのほか、2022年に予定されているインド発の有人宇宙飛行ミッションでも使用される予定です。

チャンドラヤーン2号を搭載したGSLVMkIII-M1ロケット

by ISRO

インドのニューデリー郊外の学校で宇宙工学を教えているNamrata Bera氏はニューヨーク・タイムズの取材に対し、「チャンドラヤーン2号のニュースをずっとPCで見ていました。打ち上げ中止は悲しいですが、このミッションは絶対に成功すると私は信じています」と語りました。