ソフトウェア

Microsoft Office 365がドイツの学校で使用禁止へ


Microsoftが提供するオフィススイートのMicrosoft Office 365には、WordやExcel、PowerPointといったさまざまなソフトウェアが含まれており、日々の学習や仕事に活用している人も多いはず。そんなOffice 365が、ドイツ・ヘッセン州の教育機関では使用禁止になってしまったことが明らかになりました。

Stellungnahme des Hessischen Beauftragten für Datenschutz und Informationsfreiheit zum Einsatz von Microsoft Office 365 in hessischen Schulen | Der Hessische Beauftragte für Datenschutz und Informationsfreiheit
https://datenschutz.hessen.de/pressemitteilungen/stellungnahme-des-hessischen-beauftragten-f%C3%BCr-datenschutz-und

German schools ban Microsoft Office 365 amid privacy concerns
https://thenextweb.com/privacy/2019/07/15/german-schools-ban-microsoft-office-365-amid-privacy-concerns/

Microsoft Office 365: Banned in German schools over privacy fears | ZDNet
https://www.zdnet.com/article/microsoft-office-365-banned-in-german-schools-over-privacy-fears/

「ヘッセン州のデータ保護と情報の自由に関する委員会(HBDI)」が指摘するOffice 365の抱える問題点とは、Windows 10がアメリカのデータセンターと情報をやりとりしているということ。送信する情報には、ソフトウェア診断や電子メールの件名、さらには文書内の文章などが含まれており、いずれもEU一般データ保護規則(GDPR)に反するものでした。


GDPRの原則などに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

EUの新データ保護規則「GDPR」の発効でウェブサイト所有者が採るべき大きな変更とは? - GIGAZINE


この問題はGDPR開始時から指摘されていたものですが、2017年8月、Office 365はドイツ国内のデータセンターに個人情報を送信しているという理由から、HBDIは「合法である」という判断を下していました。しかし2018年8月、Microsoftはドイツ国内のデータセンターを閉鎖。個人情報はアメリカのデータセンターに送信されるようになりました。アメリカに送信された情報はアメリカの法の下で取り扱われるようになってしまうため、Office 365の情報送信は改めて「プライバシー情報保護問題」として挙げられるようになったわけです。

Office 365のようなクラウド機能を持つソフトウェアは使用者の同意とデータ処理の安全性が保証されている限り、ヘッセン州でも使用すること自体に問題はありません。しかし、16歳未満である生徒自身から同意を得ることができないという理由により、学校でのOffice 365の使用が禁止されました。

By Rawpixel

Microsoftは今回の指摘に対して「Office 365は職場や学校のアカウントに接続されている場合、管理者側でMicrosoftに送信するデータに一定の制限をかけることが可能です。当社はお客様からのフィードバックに基づき、データの透明性や顧客情報の管理プライバシーコントロールに関する方針を発表しており、この問題に継続的に取り組む予定です」と発表しています。

HBDIは「GoogleやAppleのクラウドソリューションもMicrosoft Office 365と同様のプライバシー情報に関する懸念がある」とコメントしています。

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in ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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