2019年6月は「観測史上最も暑い6月」だったことが判明
by Ashley Campbell
2019年の夏も猛暑が日本各地を襲い、2019年5月末には北海道の佐呂間町で5月の気温としては全国史上最高の39.5度を記録しました。そんな夏の猛暑は日本だけではなく世界中で観測されていて、EUの人工衛星を使った地球の気候変動を観測するコペルニクス気候変動サービスは「世界全体で見ても2019年6月の平均気温は観測史上最も暑く、特にヨーロッパではこれまでにないレベルで異常な猛暑を記録した」と発表しました。
Record-breaking temperatures for June | Copernicus
https://climate.copernicus.eu/record-breaking-temperatures-june
ヨーロッパでは、サハラ砂漠から流れてくる大量の熱気やエルニーニョ現象によって近年気候変動が観測されていました。特に近年では夏の暑さが過去の記録からの予想を上回るレベルとなっていて、2019年6月の平均気温は過去30年の平均気温をおよそ2度上回っていたとのこと。
最新鋭の気候分析システム「ERA5」による、2019年6月25日から29日までの5日間の平均気温を示したマップが以下。1981年から2010年までの同期間の長期平均気温よりも高かった地域は赤く、低かった地域は青くマークされています。フランスやイタリア、スペインなど、ヨーロッパ西部を中心に標準よりも高い平均気温を示していることがよくわかります。特に、フランス中央部やスイス南部、スペイン北部では例年よりも6℃~10℃も高いことが示されています。
以下のグラフは1979年から2019年までの6月の平均気温を示していて、上はヨーロッパのみ、下は世界全体のものです。横軸は年次、縦軸は「その年の6月の平均気温」と「1981年から2010年までの長期平均気温」の温度差です。世界全体で見ると6月の平均気温は年々高くなる傾向にあり、ヨーロッパでは2019年6月(最右)に過去30年の中で最も高い平均気温を記録しています。
同じ内容で、1880年から2019年までというもっと長いスパンでグラフ化したものが以下。140年間を見ても世界全体の平均気温は上昇傾向にあること、そしてヨーロッパの2019年6月の暑さが過去140年の中でも突出したレベルであることがよくわかります。
コペルニクス気候変動サービスの責任者であるジャン=ノエル・テポ氏は、「6月末のヨーロッパ南西部の気温は異常に高いことがわかりました。これは並外れたレベルですが、気候変動によって将来的に異常な暑さが何度も観測される可能性があります」と述べました。
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