2018年は「史上4番目に暑い年」だったことがNASAとアメリカ海洋大気庁の別々の分析から判明
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アメリカ海洋大気庁(NOAA)とNASAの個別の調査によって、2018年が観測史上4番目に暑い年だったことがわかりました。「史上最も暑い年」の上位5位は2014年以降に集中しており、2018年も地球温暖化の傾向が継続しています。
2018 Fourth Warmest Year in Continued Warming Trend, According to NASA | NASA
https://www.nasa.gov/press-release/2018-fourth-warmest-year-in-continued-warming-trend-according-to-nasa-noaa
It’s Official: 2018 Was the Fourth Warmest Year on Record - The New York Times
https://www.nytimes.com/interactive/2019/02/06/climate/fourth-hottest-year.html
2018 was Earth's fourth hottest year on record, NOAA and NASA report
https://www.cnbc.com/2019/02/06/2018-was-earths-fourth-hottest-year-on-record-noaa-and-nasa-report.html
アメリカ海洋大気庁(NOAA)とNASAによると、2017年の地上・海の温度は1951年から1980年までの30年間の平均に比べて0.83度ほど高かったとのこと。これは2016年・2017年・2015年に続く史上4番目を記録する暑さで、NASAゴダード宇宙科学研究所(GISS)のギャビン・シュミット氏は「2018年も、地球温暖化のトレンドにのっとった非常に暑い年になりました」と語っています。
1880年以降、地球の表面温度は約1度上昇しており、この大きな原因として二酸化炭素やそのほかの温室効果ガスが人間の活動によって大気中に放出されたことが挙げられるとシュミット氏は指摘。温度の上昇が影響する場所には差があり、地球上の全ての場所で温度が上がっているわけではありませんが、NOAAはアメリカの隣接する48州で平均温度が史上14番目に高かったことを報告しています。
最も温度の上昇傾向が強く見られるのは北極や南極の周辺で、科学者はグリーンランドや南極の氷が猛烈な勢いで溶けていること、それにより海水面が上昇していることを報告しています。また、温暖化の影響で暑い時期が長引いたり、異常気象が発生したりすることも多く、「沿岸部の洪水、熱波、激しい雨、エコシステムの変化など、長期にわたる温暖化の影響は感じられていると思います」とシュミット氏は述べました。NOAAによると、アメリカが2018年に経験した気候災害により発生した損害は10億ドル(約1100億円)を超えているそうです。
なお、NASAおよびNOAAの分析は世界6300カ所の測候所や、南極観測局、船あるいはブイで計測された地表・海面温度を統合したもの。NASAは観測所間の距離やヒートアイランド現象といった結論を歪める要素を考慮したアルゴリズムでデータを分析していますが、NOAAは同じデータに対して別の方法で分析を行っています。このデータセットはここから得ることが可能です。
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