サイエンス

エルニーニョ現象は勢いが強烈になっているばかりか「新タイプ」も登場していることが判明


海面水温の変化が降水量や気温に大きな変化を与えるエルニーニョ現象は、世界中での病気のまん延にも影響を与える深刻なもの。世界で初めて「過去400年」という長期間にわたるエルニーニョ現象のデータを作成した研究者らが、近年「新しいタイプのエルニーニョ現象」が増加していること、そして従来のエルニーニョ現象の勢いが強烈になっていることを発表しました。

Higher frequency of Central Pacific El Niño events in recent decades relative to past centuries | Nature Geoscience
https://www.nature.com/articles/s41561-019-0353-3

El Niño has rapidly become stronger and stranger, according to coral records
https://theconversation.com/el-nino-has-rapidly-become-stronger-and-stranger-according-to-coral-records-115560

Impossible research produces 400-year El Nino record, revealing startling changes
https://phys.org/news/2019-05-impossible-year-el-nino-revealing.html

エルニーニョ現象は数年に1度、春から冬にかけて発生する現象で、典型的には熱帯太平洋の東部で海面水温が平年より高く、西部で低くなることで世界的に天候が大きく変化することを呼びます。エルニーニョ現象が起こると日本では冷夏、暖冬となる傾向があります。

世界の気候変化が記録されるようになったのは比較的最近であるため、データが限定的で、現代の気候が例外的なものであるのか違うのかを判断することは非常に難しいこととされています。そこで、メルボルン大学およびThe Centre of Excellence for Climate ExtremesのMandy Freund博士らの研究チームは、太平洋に生息するサンゴ礁のコアを利用して過去400年にわたるエルニーニョ現象の記録を作成する革新的な方法を開発しました。

by Artem Mizyuk · Photography

そして、研究者は新たなデータから、近年、エルニーニョ現象のパターンが大きく変化していることを突き止めました。

新しいタイプのエルニーニョ現象は過去数十年において頻繁に発生しており、同時に、従来のエルニーニョ現象も激しさを増してきているとのこと。


典型的なエルニーニョ現象が熱帯太平洋の東部で海面水温が上昇するのに対し、新しいタイプのエルニーニョ現象は中部太平洋で海面水温が上昇します。新タイプのエルニーニョ現象は従来のものよりも強くはありませんが、2014~15年、2018~19年といった年に発生が確認されました。一方、典型的なエルニーニョ現象は過去400年においてだいたい同じ頻度で発生してきたとのこと。

Freund博士らの研究では、20世紀の終わりまでに中部太平洋で起こるエルニーニョ現象が急激に増加したことが示されています。また東部太平洋で起こるエルニーニョ現象の数は減少していますが、1982~83年、1997~98年、2015~16年に発生したものはいずれも強い異常気象を伴うものでした。

by a l o b o s

「この発見は、間違いなくエルニーニョ現象に対する我々の理解を変えるでしょう。エルニーニョ現象の変化はオーストラリア、東南アジア、アメリカに対し極端な気温と降水量の変化という形で影響を与えると考えられます」と研究者らは述べています。

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in サイエンス, Posted by logq_fa

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