サイエンス

太陽系にある全惑星と1万8000個の小惑星で地図を作るとこんな感じ


太陽系には地球や火星をはじめとする惑星の他に、数多くの小惑星が存在しています。そんな太陽系の惑星と1万8000個にも及ぶ小惑星を、その軌道とともにマッピングした図が公開されています。

An Orbit Map of the Solar System
http://tabletopwhale.com/2019/06/10/the-solar-system.html

太陽系の惑星と大小あわせて1万8000個もの小惑星を地図にしたのは、ワシントン大学の博士課程に在籍するエレノア・リッツさんです。リッツさんの専攻は蚊を対象とした神経生物学ですが、「たまにサイエンスデザイナーとデータオタクにもなります」とのこと。


そんなリッツさんは、NASAが一般公開している惑星や、直径10km以上の小惑星約1万個、さらにはサイズが確認されていない8000個近くの天体のデータをすべて収集。それぞれの軌道とともにマッピングし、1999年12月31日時点での太陽系の地図を作成しました。

以下の画像がその地図です。画像をクリックすると、元の大きさで表示されます。


太陽を中心に拡大してみたところがこれ。画像の上の方に地球(THE EARTH)があり、その少し外側には火星(MARS)が、内側には軌道が地球に近い順に金星(VENUS)・水星(MERCURY)があります。また、青色の雲のようになっている小惑星帯をはさんだ右上には、木星(JUPITER)もあります。


この地図は太陽を中心とした軌道が描かれていますが、NASAのデータベースからは太陽以外の地点から見た軌道データを出力することも可能です。

例えばこの画像は「地球からみた太陽系の各惑星が描く軌道」を示していて、左から順に水星・金星・火星・木星・土星・天王星を表しています。これらの惑星の軌道が幾何学模様を描いている様子を見ると、地動説を知らない古代ギリシャ人が、遠い銀河の恒星とは明らかに違う動きをするこれらの惑星を「プラネテス(さまよう者)」と呼んだ理由がよく分かります。


リッツさんが「個人的にびっくりしたところ」として挙げているのが、画像の左にある海王星(NEPTUNE)と冥王星(PLUTO)の位置関係です。2019年現在は「惑星ではない」とされている冥王星ですが、1999年当時は太陽系の第9惑星とされていました。リッツさんが驚いたのは、冥王星が海王星の軌道を表す青い円弧の内側にある点です。


これは、冥王星の軌道が特殊であり、一時的に海王星軌道の内側に入り込むことがあるためです。具体的には、冥王星軌道は1979年から海王星軌道の内側に入り込んでいて、1999年はちょうどこの軌道が交差するタイミングでした。このことを知らなかったというリッツさんは、「この地図が正しいことが分かるまで、軌道を出力するプログラムのバグを探して長い時間を無駄にしてしまいました」と苦労を語っていました。

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in サイエンス, Posted by log1l_ks

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