1954年の戦闘糧食「レーション」を60年以上の時を経て開封するとこんな感じ
軍事行動中の兵士たちに向けて開発された戦闘糧食(レーション)は劣悪な環境にも耐えうる「保存性」と「摂取カロリーの最大化」を極限にまで高めた食事。このレーションの保存性を確かめるべく、1954年のレーションを60年の時を経て開封してみたムービーが公開されています。
1954 SA-4 Ration Survival Food Packet MRE - YouTube
Taras Kulさんが手に持っているのが、そのレーション。
パッケージには「SA-4」という文字、そして「FOOD FOR ONE MAN(一人用)」「FOR ONE DAY(一日用)」の文字が並んでいます。
箱の裏側にはカギのようなものが貼り付けられており……
これを箱側面にある突起に引っかけます。
くるくると突起を巻き付けていくと、箱の真ん中の部分が切り取られていきます。
ぐるりと一周分、金属を巻き付けると箱が開きました。
中はこんな感じ。パッケージに包まれた食べ物が詰められています。
入っていたのはガムや砂糖。
そしてワックスで密閉された浄水錠剤入りのボトル。
「CLASS 2」と書かれたシリアル。このCLASS 2という表記の意味は不明ですが、「種類が違うシリアルを意味しているのだろう」とKulさんは推測していました。
次に取り出したのっぺり感のある茶色い物体は、包装紙がシリアルのパッケージにくっついてしまっていました。
パッケージから包装紙を剥がすと……
「チーズバー」の文字。「これがチーズバーなのか?!」とKulさんは半信半疑です。
「CLASS 5」と書かれたシリアルも入っていました。
チョコレートも発見。
原材料名には、砂糖、チョコレート、植物油脂、全粉乳などが含まれています。
インスタントの紅茶や……
コーヒー
クリームもありました。
ということでそれぞれの食べ物を見てみます。まずはチーズバーから。
パカッと割ってみると、まるで乾燥した赤土のような断面が現れました。
2本目のチーズバーも同様で、少し力を入れるとボロボロと崩れていきます。「最悪とまではいかないが、あまりいい匂いじゃない」そうです。
続いて、フルーツバーを開封してみます。
これはフルーツケーキのように生地の合間にドライフルーツのようなものが入っているのが確認できます。60年の時を経てもなかなかおいしそうな匂いがするそうです。
チョコレートは変色し、粉をふいたような白っぽい色合いに。
グミもありますが、グミ本来の柔らかさは完全に失われ、石か金属のようにカチカチに固まっていました。いずれも薄茶色に見えますが、ほんのり赤みがかっているものと黄色っぽいものの2種類があります。
シリアルは比較的安全そうな見た目。
ガムも色味が消えていますが、変質などはなさそう。
シリアルは簡単に手で砕ける固さ。コップに砕いたシリアルを入れて水を注いでみると……
スープのような感じになりました。水で溶かしたので完全にシリアルが溶けきるのではなく、粒が残っています。
さらに紅茶パウダーを袋から取り出して……
お湯を注いでみます。
紅茶パウダーを2袋入れて混ぜると、しっかりお湯に溶けてブラックティーとなりました。香りもまさに紅茶のよい香りで、飲めそうな気配のようです。
さらにコーヒーも取り出して……
クリームと共にカップに投入。
お湯を注ぎます。
コーヒーは徐々に溶けていきましたが、しばらく混ぜていても粉末ミルクが溶けることなく、表面に粒子が浮かんでいる状態。
甘さを追加したい時はチョコレートを追加すればOK。チョコレートも指でつぶして粉のように砕けるようになっていました。
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