スマホ市場のAndroidシェアは高いものの「非常に断片化されている」という指摘
by Kārlis Dambrāns
スマートフォンのOSとしてはGoogleが開発しているAndroidとAppleが開発するiOSが有名ですが、市場のシェアはAndroidが75%近くを占めています。Androidが大きなシェアを占めている一方で、「Androidのシェアは『断片化』されている」という指摘がされています。
How Fragmented is Android – EGGONOMY
https://eggonomy.com/blogs/news/how-fragmented-is-android
Android OS Fragmentation Data Analysis
https://drive.google.com/file/d/1ruifcPL9CFGabxBftZAlEzdv0JP0kM99/view
アクセス解析ソフトStat Counterから得たデータを公開しているStatCounter Global Statsによると、2019年4月時点におけるスマートフォンOSのシェアはAndroidが75.22%、iOSが22.76%となっており、その他OSのシェアはわずか2%ほどとなっています。
しかし、その一方でAndroidは非常に断片化されているとのこと。Androidは最新OSのAndroid 9.0 Pieと並行する形でいくつものバージョンのOSが使用されており、主要なAndroidスマートフォン製造メーカーは12社あります。そのため、実にAndroid搭載スマートフォンと一口にいっても、その内訳はさまざまです。
たとえば全Androidのうち、最新バージョンのAndroid 9.0 Pieが占めるシェアは11.26%に過ぎず、最もシェアが高いOSはAndroid 8.1 Oreoで18.6%、2番目がAndroid 8.0 Oreoの16.61%、3番目がAndroid 6.0 Marshmallowの16%となっています。
また、スマートフォンの製造メーカーにも非常に多くの種類が存在し、Samsungが全体の44.8%、続いてHuaweiの11.4%、3番手がXiaomiの7%となっています。なお、Huaweiは2019年5月にGoogleによるAndroidサポートが停止されることが発表されています。
このように分断化された状態だと何が問題なのかといえば、多くのAndroidデバイスは最新のAndroidアップデートを得られていない一方で、さまざまな利用データがGoogleに収集されている点です。Googleは新興国向けのAndroid搭載スマートフォンであるAndroid Oneの発表時にこの問題を認めていますが、問題を解決するには古いデバイスが処分され、ユーザーが最新のAndroidデバイスに乗り換えるしかありません。
これとは対照的に、iOSでは最新のiOS12以上が占める割合が80%を超えており、iOS11とiOS10を含めた数字は95%を超えています。もちろんiOSはApple製デバイスのみに搭載されているため、iOSはAndroidほど断片化されていません。今回の分析結果は、単にスマートフォン市場におけるOSのシェアだけで「Androidが優勢、iOSが劣勢」と見るのではなく、それ以外の視点から捉えると新たな発見が得られることを示しています。
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