犬が人に向かって笑いかけてくることはあるのか?
by harvey117
「ワハハ」と声を出すことはないものの、犬が「笑顔」を浮かべている様子は少なからず見られるものです。この「笑顔」は本当に犬が笑っているときの表情なのか、科学ニュースを扱うLive Scienceが、その謎に迫っています。
Are Dogs Really Smiling at Us?
https://www.livescience.com/65506-are-dogs-smiling.html
犬はしゃべることができないため、「その表情は、人間でいうところの笑顔なのですか?」と聞き取り調査をすることはできません。
by harvey117
しゃべれない代わりに、犬は人と共に生きるために、アイコンタクトで考えをくみ取るという力を獲得しました。同じイヌ科であってもオオカミにはこの力がないことが実験で証明されています。
犬が人とのアイコンタクトで考えをくみ取っている一方で、犬から人に向けてのアイコンタクトかもしれないのが、眉を内側に寄せることで哀れみを感じさせる「子犬の目」です。
by PublicDomainPictures
ポーツマス大学の比較心理学者ジュリアン・カミンスキーさんらは、ドッグシェルターで「子犬の目」を浮かべている犬ほど早く連れて帰ってもらえる傾向があることを突き止めました。「子犬の目」によって哀れに見えるという効果に犬たち自身が気付いていて、人に対してアイコンタクトを送っているのであれば、必要なときに積極的に使うはず。しかし、カミンスキーさんらの追加調査により、犬たちは「子犬の目」を意識的に使っているわけではないことがわかりました。つまり、犬が人に向けてアイコンタクトを送っているわけではありませんでした。
本題の「笑顔」ですが、これはまだまだ研究不足で、人間が笑顔を浮かべるときと同じ意味で使われているのか、それとも人に向けて何かを訴えるアイコンタクトなのかはわからないとのこと。ただ、犬同士がお互い遊びに誘い合うような、ポジティブな状況の時に浮かべる顔であることはわかっています。
犬が浮かべている表情の真意が読めなかったとしても、犬は人間の浮かべる微妙なニュアンスまでくみ取って理解してくれる存在であるのは事実。人間と同じヒト科で知能が高いチンパンジーでも、犬ほどには人間のことを理解できないとのこと。人間と犬との親密な付き合いは3万年もさかのぼることができるものなので、人が笑顔を浮かべていれば、犬もその表情をまねして笑っていたとしても不思議はないのかもしれません。
ちなみに、ニッコリ笑う犬だといわれる「柴犬まる」の映像は、水を飲んだ後、むせる瞬間の顔が笑顔に見えているという説があります。
水分補給はこまめにね pic.twitter.com/VY2h82OycK
— 柴犬まる@ツイッター強化中 (@marutaro2000) 2017年8月4日
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