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放射性物質の濃縮ウランが検出され中学校が閉鎖される事態に発展

by Dave Merrill

ウラン235を濃縮した濃縮ウランは、その濃度に応じて原子力発電所の核燃料や原子爆弾などに利用することができる一方、放射能を持つ放射性物質でもあり人体にとって有害です。アメリカ・オハイオ州パイク郡にある中学校で、濃縮ウランや同じく放射性物質であり発がん性を持つネプツニウム237が検出され、中学校が閉鎖される事態となっています。

Detection of enriched uranium closes Pike County school; officials concerned about cancer risk
https://www.wlwt.com/article/detection-of-enriched-uranium-forces-closure-of-pike-county-school/27458155

Ohio School Closed After Enriched Uranium Discovered Inside: ‘We Aren't Prepared for Something Like This’
https://www.newsweek.com/ohio-school-closed-enriched-uranium-discovered-radiation-cancer-1424704

濃縮ウランなどの放射性物質が発見されたのは、320人の生徒が在籍しているパイク郡のZahn's Corner中学校。当局は放射性物質による汚染の原因を突き止め、どれほどの範囲が汚染されているのかを調査するために発見後の2019年5月13日(月)から中学校を閉鎖しています。放射性物質の汚染状態によっては、夏休みを過ぎた後も閉鎖を継続する可能性があるとのこと。


Zahn's Corner中学校を管轄するサイオトバレー地方学区のTodd Burkitt教育長は、濃縮ウラン検出によって非常な大騒ぎとなっており、学校から放射性物質が検出された際の対策も手探り状態だとコメント。一方で、「私たちは子どもたちのチャンスを奪うつもりはありません」として、子どもたちが教育を受けられる状態を整備したいとしています。

なお、オハイオ州の教育省によれば、Zahn's Corner中学校の子どもたちは今年度に必要な授業時間を達成しているため、学校再開後に授業の埋め合わせを行う必要はないそうです。


放射性物質がどこからもたらされたのかについては判明していませんが、多くの地元住民はZahn's Corner中学校から2マイル(約3.2km)離れたポーツマスガス拡散プラントが原因ではないかと推測している模様。

ポーツマスガス拡散プラントでは、かつてアメリカ原子力計画や兵器で使用するための濃縮ウランを製造していました。濃縮ウラン製造は2001年の時点で終了していますが、記事作成時点でもエネルギー省のもとで除染などの作業が継続中です。エネルギー省やパイク郡当局は汚染の広がっている範囲を調査するために、家屋や水についても放射性物質の検査を行うとしています。

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