チベット仏教の楽譜には西洋音楽にない独特の魅力がある
チベットを中心に発展した仏教の一派であるチベット仏教では、音楽が非常に重要視されています。そんなチベット仏教音楽で使われる楽譜が非常に美しいと、カルチャー系メディアのOpen Cultureがまとめています。
Tibetan Musical Notation Is Beautiful | Open Culture
http://www.openculture.com/2019/04/tibetan-musical-notation-is-beautiful.html
宗教は同じルーツを持っているものであっても、現地の風土や文化と融合してさまざまに変容します。7世紀頃にインドからチベットへ伝来したとされる仏教は、チベットの古代宗教であるボン教などと結びつき、独特のチベット仏教へと形を変えていきました。
そんなチベット仏教では、音楽が非常に重要な構成要素となっているとのこと。チベット仏教音楽は西洋の宗教音楽と同様に、複雑な記譜法と長い歴史を持つ宗教的な歌を持っており、神聖な音楽と儀式を世代を超えて受け継いできました。チベット仏教音楽は神聖なテキストを記憶し、献身を表し、悪霊を追い払い、神を呼び出す手段として使われてきたそうです。
以下のムービーでは、チベット仏教音楽の演奏を見ることができます。
Traditional Tibetan Music instrument played by students of Jonangpa Monastery, Kathmandu, Nepal
ギャリンと呼ばれる管楽器を演奏する僧侶たち。いくつもの音色が重なり合い、独特の音楽を生み出しています。
奥の子どもたちはトゥンカルと呼ばれるホラ貝を吹いている模様。
驚くほど管が長い楽器はラグドゥンと呼ばれます。
屋外で演奏することもあるようで……
ムービー中では音楽を奏でながら歩き回る姿も見られます。
そんなチベット仏教音楽で使われる楽譜の一例がこれ。波打つ曲線と歌詞、記号などによって書かれた楽譜は、まるで何かの絵画のようにも見えます。
Good morning! Some more Tibetan music notation, this time from the .@SchoyenCollectn! pic.twitter.com/BQIZ4xveb0
— Musical Notation is Beautiful (@NotationIsGreat) 2019年4月3日
チベット仏教音楽の記譜法はメロディーやリズム、楽器のアレンジメントなどが表されているだけでなく、歌詞や手の仕草など、仏教の儀式に関する事柄まで記しているとのこと。
details of impressive Tibetan musical notation pic.twitter.com/4y0aWkrLSI
— Jo De Baerdemaeker (@typojo) 2018年10月22日
きれいなカーブを描く曲線は歌声が滑らかな変化を表しており、「流れる川のように歌う」「鳥のさえずりのように軽く」といった、歌う時の意識などについても書かれているそうです。
チベット仏教はインドから伝わった仏教を基にしていますが、チベット仏教音楽の伝統に関しては独自のものです。タルサ大学の音楽研究家であるJohn Powell氏は、チベット仏教音楽を理解するにはメロディーやリズムのコンセプトをしっかりと考えることが必要不可欠だと述べています。
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