ハードウェア

TSMCが5nmプロセスの先行生産を開始、7nmプロセスから1.8倍のトランジスタ密度と15%の速度上昇を実現


世界最大の半導体製造ファウンドリであるTSMCが、2019年4月3日に5nmプロセスでの製造インフラを完成させ、リスクプロダクションの提供を開始したと発表しました。

TSMC and OIP Ecosystem Partners Deliver Industry’s First Complete Design Infrastructure for 5nm Process Technology
https://www.tsmc.com/tsmcdotcom/PRListingNewsAction.do?action=detail&language=E&newsid=THPGWQTHTH


Apple now able to design 5nm A-Series chips for 2020 iPhones - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2019/04/08/5nm/

半導体の回路をウェハー上に製造する際の配線の幅をプロセス・ルール(製造プロセス)と呼びます。この最小加工寸法が小さくなれば、同じ面積により多くのトランジスタや配線を配置できるようになるので、半導体の高速化が実現できると考えられています。TSMCが設計基板を提供開始した5nmプロセスは極紫外線リソグラフィー(EUV)で製造され、同社の7nmプロセスと比較して、1.8倍のトランジスタ密度と15%の速度上昇や、メモリや電力の最適化を実現しているとのこと。TSMCは5nmプロセスを、今後の成長が見込まれる5Gモバイル市場やAI市場を主要なターゲットに提供予定としています。

今回開始したのはTSMCが顧客の依頼を受けることなく生産を開始するリスクプロダクションで、実際に5nmプロセスを搭載した製品が世に出回るまでにはまだ時間がかかります。TSMCに半導体製造を委託しているAppleの場合、2020年モデルのiPhoneには5nmプロセスチップが搭載される可能性がありそうです。また、TSMCは2022年にも3nmプロセスを実現することを目標にしています。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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