「Firefox 66」正式版リリース、自動再生ムービーが消音されたり広告が挿入されても画面がずれないように

Webブラウザ「Firefox 66」の正式版が公開されました。Webサイトがムービーを自動再生する場合に音声がミュートされるようになるほか、タブの検索機能が強化されたり、ページの閲覧を始めた後で上部に画像や広告が挿入された場合に閲覧中のコンテンツがずれないようになる機能が搭載されました。

Firefox 66.0, See All New Features, Updates and Fixes
https://www.mozilla.org/en-US/firefox/66.0/releasenotes/

Today’s Firefox Aims to Reduce Your Online Annoyances - The Mozilla Blog
https://blog.mozilla.org/blog/2019/03/19/todays-firefox-aims-to-reduce-your-online-annoyances/

◆ムービーが自動再生される際に音声がミュートに
たくさんタブを開いた際に、どこかのタブから音声が流れ出す……という出来事はブラウジング中にしばしば発生します。Firefox 66からはこうした自動再生されるムービーで音声がミュートされるように変更されます。音声が聞きたいと思った場合は単にムービーに表示されるアイコンをクリックすればOK。

なお、NetflixやHulu、YouTubeのような動画配信サイトにおいて連続再生する場合には音声が流れるとのこと。

◆後からロードされた広告などによってページがジャンプしないように
ページを開いて記事を読み始めると突然、上部に広告が挿入されてスクロール位置が飛んでしまい、どこを読んでいたのか見失ってしまうことがあります。Firefox 66からはウィンドウの外に要素が挿入されても見ている位置がジャンプしないようになります。

◆複数のタブの検索機能が強化
以前よりアドレスバーに「%」を入力することでタブを検索出来ていました。

Firefox 66からは「タブの一覧表示」メニューに「タブを検索」という項目が追加され、よりタブの検索機能にアクセスしやすくなります。

なお、Firefoxでは現在開いているタブの他に履歴やブックマークを検索することも可能です。

◆プライベートウィンドウを開いた際に検索欄が表示されるように
新しくプライベートウィンドウを開くとページ中央に検索欄が表示されるようになります。この際に使用される検索エンジンは設定の「検索」→「既定の検索エンジン」で変更可能です。

◆証明書エラーの文言を読みやすいように修正
Webサイトは証明書を利用して他者に改ざんされていない「本物のサイト」に接続できていることを証明していますが、証明書の期限が切れているなど何らかの理由で安全な接続を行えない場合があり、その場合にはエラー画面が表示されます。従来のエラー画面は専門用語が分からないと理解しにくいものとなっていましたが、デザインや文言を最適化することで、警告メッセージを無視して接続しようとするユーザーを22%～50%減少させるエラー画面を開発できたとのこと。Firefox 66から採用されている新しい画面は以下のようなものです。

◆Windows Helloをサポート、パスワード無しでの認証が可能に
「Windows Hello」はユーザーの顔・虹彩・指紋などを利用して生体認証を行うシステムです。Firefox 66からはそのWindows Helloを利用してWeb認証を行うことが可能となり、パスワードを利用せずに認証を行うことができるようになります。

◆拡張機能のロード速度が向上
JSON形式のテキストで保存されていた拡張機能の設定がFirefoxデータベースを利用するようになり、ロード速度が向上します。

◆Webコンテンツの読み込みに使用するプロセス数を倍増
以前はWebコンテンツの読み込みを4プロセスで処理していましたが、Firefox 66からは8プロセスで処理するようになります。プロセス数が増加することでパフォーマンスが向上し、クラッシュする可能性も減少するとのこと。多くの場合プロセス数が増加するとメモリの使用量も増加しますが、Firefox 66では以前と同等のメモリ使用量に抑えることができたとのことです。また、次のバージョンであるFirefox 67ではメモリが足りなくなりそうな場合にタブをアンロードする機能の追加も予定されています。