超美麗でリアルなCG映像を可能にする「リアルタイムレイトレーシング」のデモムービーをNVIDIAが公開中
NVIDIAは、2019年3月19日に開催された自社イベントのGPU Technology Conference(GTC) 2019で、ゲームエンジンのUnreal Engine 4やUnityがDirectX Raytracing(DXR)をサポートしたことを受けて、CG映像の光や色をよりリアルに表現する「リアルタイムレイトレーシング」を有効化したゲームのデモムービーを公開しました。
NVIDIA, Microsoft, Epic Games, Unity and Leading Developers Kick-Start Next-Gen Gaming at GDC 2019 | NVIDIA Newsroom
https://nvidianews.nvidia.com/news/nvidia-microsoft-epic-games-unity-and-leading-developers-kick-start-next-gen-gaming-at-gdc-2019
レイトレーシングとは、3D画像のカメラ(視点)から画面のドットを通過するように光を放ち、ポリゴンに反射させてその反射や屈折、色を計算して行うレンダリングです。NVIDIAのGeForce RTX 20シリーズに搭載されているRT(Ray Tracing)コアは、ゲーム中にリアルタイムでレイトレーシングを行うための専用回路。リアルレイトレーシングを行うことで、結果としてノイズが少なく、より自然でリアルな映像でゲームがプレイ可能となっています。
実際にリアルタイムレイトレーシングのデモ映像が以下。GeForce TITAN RTXを使ってレンダリングされたムービーでは光の反射や影、鏡やガラスへのモデルの写り込みがかなりリアルです。
Project Sol Part 3: A Real-Time Ray-Tracing Cinematic Scene Powered by NVIDIA RTX - YouTube
NVIDIAは2018年9月に、「メトロ エクソダス」のリアルタイムレイトレーシング機能を有効化した場合のデモムービーを公開しています。メトロ エクソダスのゲームエンジンはエンジンは4A Engineです。窓から差し込む木漏れ日や森の中の影の雰囲気によって、ゲーム映像の迫力がさらに増しています。
Metro Exodus: GeForce RTX Real-Time Ray Traced Global Illumination Demo - YouTube
実際にリアルタイムレイトレーシングを行うことで映像にどれだけ変化が表れるのかについて、NVIDIAは1997年に発売されたゲーム「Quake II」にNVIDIA VKRayでレイトレーシング機能を有効化した画像を公開しています。以下のムービーを再生すると、「本当に同じ映像なのか?」と疑うほどにガラリと雰囲気が変わるのがわかります。
id Software’s Quake II launched in 1997
— NVIDIA GeForce (@NVIDIAGeForce) 2019年3月18日
Now, we're bringing it to 2019 with #RTXOn.
See more comparisons & learn about the technology behind our re-engineered version of this classic game → https://t.co/IcuuQn3YLt pic.twitter.com/WLnKAExDQV
しかし、リアルタイムレイトレーシングにはもちろん膨大な計算が必要になり、従来のアーキテクチャにおけるCUDAコアでは処理しきれないため、このリアルタイムレイトレーシング機能はRTコアを搭載するGeForce RTX 20シリーズのみでしか有効化されていません。なお、NVIDIAによると、2019年4月から提供されるドライバを導入することで、GeForce GTX 10シリーズでもリアルタイムレイトレーシング機能が有効化されるとのこと。
2019年2月、Unreal Engine 4.22 Preview 1が公開され、その中でもMicrosoft DirectXが提供するレイトレーシング(DXR)に対応し、リアルタイムレイトレーシングが可能になったことは大きな話題となりました。また、Unreal Engine 4と並んで人気のあるゲームエンジンのUnityもリアルタイムレイトレーシングに対応しました。多くのゲームで利用されているUnreal Engine 4やUnityが対応したことで、今後ゲーム業界におけるリアルタイムレイトレーシングの普及は加速するだろう、とNVIDIAは予測しています。
Nexonの開発するアクションRPG「Dragonhound」はUnreal Engine 4を用いて開発されている大型タイトルです。そのムービーをリアルタイムレイトレーシングでレンダリングしたものが以下。宝石や金属の質感、光のきらめきは必見です。
Dragonhound: GeForce RTX Real-Time Ray Traced Reflections and Shadows - GDC 2019 - YouTube
またNVIDIAは、Remedy Entertainmentが2019年にリリース予定のアクションシューティング「Control」のリアルタイムレイトレーシングデモも公開しています。「Control」はゲームエンジンに、Remedy Entertainmentが開発した「Northlight Engine」を使用しています。他にもFrostbite EngineやCrystal Dynamicsのエンジンなど、リアルタイムレイトレーシングに対応するゲームエンジンが続々と増えていると、NVIDIAは述べています。
Control: GeForce RTX Real-Time Ray Tracing Demo - GDC 2019 - YouTube
・関連記事
NVIDIAが約6550億円以上でイスラエルの半導体メーカーを買収との報道、データセンター向け技術と顧客が狙いか - GIGAZINE
NVIDIAが自動運転システム「Drive AutoPilot」の商用利用をスタート - GIGAZINE
NVIDIAが物理演算エンジン「PhysX」をオープンソース化すると発表 - GIGAZINE
NVIDIA RTX 2080 Tiのディープラーニング性能をGTX 1080 Ti・Titan V・Tesla V100と比較 - GIGAZINE
NVIDIAのジェンスン・フアンCEOとAMDのリサ・スーCEOは実は親戚同士 - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in ソフトウェア, ハードウェア, 動画, ゲーム, Posted by log1i_yk
You can read the machine translated English article NVIDIA is releasing a demo movie of 'Rea….