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「ロボットに死を宣告された」として病院に対する怒りを遺族があらわに、医師の対応に波紋

by Chris Devers

慢性肺疾患の悪化で救急車によって病院に運ばれた78歳の男性が、病室に入ってきたロボットに「数日内に死ぬだろう」と告げられたとして、遺族が怒りをあらわにしています。

Fremont Kaiser Patient Told He’s Dying Via Tele-Robot Doctor Visit – CBS San Francisco
https://sanfrancisco.cbslocal.com/2019/03/08/kaiser-patient-told-dying-robot-doctor-video-call/

Doctor told California man he was dying via robot video-call - CBS News
https://www.cbsnews.com/news/kaiser-permanente-medical-center-california-man-learns-he-is-dying-from-doctor-on-robot-video-2019-03-09/

California family furious after hospital uses video call to tell grandfather he's dying | US news | The Guardian
https://www.theguardian.com/us-news/2019/mar/09/california-robot-tells-grandfather-dying

78歳男性のErnest Quintanaさんは、日曜日、呼吸ができない状態でアメリカ・サンフランシスコにあるカイザーパーマネンテ・メディカルセンターの緊急救命室に運ばれてきました。即入院となったQuintanaさんの病室に付き添っていた孫のAnnalisia Wilharmさんによると、看護師の「医師が回診でやってくる」という発言に次いで病室にやってきたのは、ディスプレイを搭載したロボットだったとのこと。そして、ディスプレイには映し出された医師は、自発呼吸ができないQuintanaさんに対して、「既に機能する肺が残っていないこと」「Quintanaさんに残された時間は数日であること」を告げました。

写真の男性がQuintanaさん


Quintanaさんの病室に入ってきたのは、「RP-VITA」のような医療用ロボットだとみられます。


Quintanaさんは右耳が聞こえなかったのですが、ロボットはQuintanaさんの左側に回ることができなかったので、孫のWilharmさんが医師の語った内容をQuintanaさんに繰り返して聞かせたそうです。「日常的な内容であるならロボットを使ってもいいと思いますが、『肺が残されておらず、死ぬまでモルヒネ漬けになる』という知らせは機械ではなく、人間の口から伝えられるべきです」とWilharmさんは述べています。


カイザーパーマネンテのMichelle J Gaskillさんは今回の状況が特殊であること、そして患者の期待に添えなかったことについて遺憾の意を表していますが、病院が遠隔医療を行っており、ディスプレイ越しの会話が行われる際には必ず他の看護師や医師が同席することを説明しました。「これは、テレビデオ・テクノロジーを利用して目の前の医師と会話することを可能にした安全な方法であり、同席した看護師や医師によってテクノロジーの作用や目的が説明されます」とGaskillさんは述べています。

カイザーパーマネンテは、テクノロジーが患者や患者の家族との会話に置き換わるものではないと説明しました。

カリフォルニア大学サンフランシスコ校の緩和医療部のスティーブ・パンティラットさんは、今回の件について「詳細を把握しているわけではない」と前置きしつつ、「ロボット技術は患者や患者の家族にとっては驚異的なものであり、『目の前に医師がいる』という状況とかけ離れたことだと考える人もいます」と語っています。一方で、面と向かっていても共感や同情が感じられないこともあれば、ビデオ会議でも温かさや親密さを感じられることもあります。「どんなに上手に難しいニュースを伝えられたとしても、家族は悲しみにくれ、聞きたくないと考えるものです」とパンティラットさんはコメントしました。なお、Quintanaさんは病院に運ばれた2日後に亡くなりました。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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