なぜバレンタインが嫌いなのか?を説明する3つの理論
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バレンタインが盛り上がる中でひそかにバレンタインへの反感を募らせている人もいるはず。2017年の調査では被験者の約半数が「バレンタインは過大評価されている」と考える一方で、43%が「ロマンチックな日」と呼ぶことが示されており、バレンタインの考え方は二極化しているのが現状です。なぜ人はバレンタインを嫌うのか?という理由について科学系ライターのStephanie Pappasさんが3つの説を述べています。
3 Reasons You Might Hate Valentine's Day
https://www.livescience.com/64750-why-we-hate-valentines-day.html
◆1:反逆者である
by Hasan Almasi
マーケティングにおいて、「ある決まった行動を取るように求められると、人はその行動をしたくなくなる」という現象を抵抗理論と呼びます。
バレンタインは公的な祝日ではなく、企業や消費を促したい人々の作り出した慣習であることから、人々の間で抵抗理論が起こると考えられます。2008年の研究では2000年から2006年までに記録された日記あるいは電子日記を収集して調査を行ったところ、バレンタイン周辺になると人は「大切な人に何かあげないといけない」というような義務を感じるにも関わらず、「プレゼントを渡す」ということについて抵抗を抱くようになることが示されたそうです。 この結果として、多くの人がプレゼントに金銭的な上限を定め、パートナーのいる男性の88%、女性の75%が手作りの品や手料理をプレゼントにしているとのこと。
また、新たな関係を築き始めたばかりの人は「義務感」をより強く感じ、シングルの人はマーケティングの1つであるバレンタインに特に怒りを抱く傾向があるそうです。「バレンタインの公式スポンサーであるHallmarkが『大切な人がいない私の人生はなんて無意味なものなんだ』と気づかせてくれたことに温かな感謝を送ります」と日記に記したシングルもいたと研究結果では明かされています。
なお、バレンタインの他に、クリスマスも「プレゼントの義務感」を感じさせるイベントとなっていることがわかっており、2013年の調査では、多くの人がクリスマスの商業主義を嫌っていることが示されました。
◆2:愛着を回避する傾向にある
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またパートナーの有無に関わらず、親密さを避けようとする人にとってバレンタインはきまりの悪いものになるとする研究結果も存在します。愛着理論という心理学の概念では、幼児期の愛着行動が後年における個人の感情や考えの形成に深く関わるとされていますが、研究者はこの「愛着」に焦点を当てたオンライン調査を実施しました。
実験ではバレンタイン当日と、4月のランダムな日程で被験者にロマンティックなバナー広告が示されたところ、親密さを避けない人々はパートナーとの関係への満足度を高く評価するようになることがわかりました。一方で、「パートナーと親密になりすぎるのを避ける」「パートナーに感情的な支援をあまり送らない」というような「愛着回避の傾向が高い人」には、このようなことが起こらなかったとのこと。愛着回避の傾向が高いかどうかで、バレンタインが関係にどう影響するのかが変わってくるわけです。
過去には、バレンタインや記念日が「カップルの結び付きを強める」という研究結果と、その逆である「弱い結び付きを破壊する」という研究結果が両方示されていましたが、上記の研究の「愛着」というポイントはこの矛盾を説明するものとなっています。
◆3:ちょっと大げさになっている
by Ben Hershey
「バレンタイン当日にどう感じると思うか?」ということを1月半ばに調査し、2月16日に実際の気持ちを再調査した2010年の研究では、パートナーがいる人、いない人のいずれもがバレンタイン前は当日の気持ちを過大評価する傾向があることが示されました。つまり、パートナーがいる人は1月半ばの時点でバレンタインを実際よりもポジティブに評価し、パートナーのいない人はよりネガティブになると感じていたのです。実際にバレンタインが過ぎると、パートナーがいる人、いない人の評価は似たり寄ったりになったとのこと。
さらに、外向的か内向的かも「バレンタイン前の感情」に関係しており、外向的な人はよりポジティブに、内向的な人、その中でも特にシングルの人はバレンタインにより悪い印象を持つことが示されました。バレンタインは他の日と変わらないただの1日であり、大げさになりすぎないよう意識した方がよさそうです。
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