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ビジネスSNSのLinkedInからライブストリーミングサービスの「LinkedIn Live」が登場


世界中で6億人近くのユーザーを抱えるビジネス特化型のSNS「LinkedIn」が、中小企業のリーダーや専門家がLinkedInを使ってビジネスを推進するための洞察を共有するためのプラットフォームとして、ムービー配信サービスの「LinkedIn Live」をスタートさせます。

LinkedIn debuts LinkedIn Live, a new live video broadcast service | TechCrunch
https://techcrunch.com/2019/02/11/linkedin-debuts-linkedin-live-a-new-live-video-broadcast-service/

アメリカでベータ版がリリースされる「LinkedIn Live」は、最初は招待制のサービスとして使用されることとなります。ただし、LinkedIn Liveを利用したいユーザーのために、今後数週間以内にコンタクトフォームが設けられることとなるそうです。海外メディアのTechCrunchは「誰でもLinkedIn Liveでムービーを作れるようになるのがいつになるかは定かではない」としています。

LinkedIn Liveの画面イメージはこんな感じ。ライブ配信も可能で、視聴者はコメントを残すこともできます。


LinkedInは、「ニュースフィードで既に目にする可能性があるような種類の情報」とは一線を画するムービーコンテンツを、ユーザーがLinkedIn Liveを利用して投稿することを望んでいます。具体的には影響力のあるビジネスマンやメンターによる会議の様子や製品発表会のライブ中継、Q&A、さらには収支報告の様子などが挙げられています。

LinkedInはプラットフォーム上に洗練されムービーコンテンツがあふれるように、サードパーティーのライブストリーミングアプリであるWirecastSwitcher StudioWowza Media SystemsSociaLiveBrandliveとの協力を決めています。

加えて、別の技術的パートナーとして、Microsoftのクラウド部門の一部であるAzure Media Servicesがムービーのエンコーディング技術を提供しているとのこと。なお、Microsoftは2016年にLinkedInを買収しましたが、これまで両社の製品開発をまとめることはなかったため、LinkedIn Liveの開発で両社が歩み寄ったことは「注目に値する例外である」とTechCrunchは指摘しています。一方で、同じくMicrosoftが保有するビデオ通話のSkypeは、LinkedIn Liveの開発には関わっていないとのこと。

ソーシャルネットワーキングという分野における競合他社と比べると、LinkedInがムービープラットフォームに取り掛かった時期はかなり遅いタイミングといえます。LinkedInが最初にビデオ機能を導入したのは2017年夏でした。ビデオ機能はライブ配信には対応していなかったものの、機能をスタートさせてから17カ月以内に、LinkedInはビデオ機能によるトラフィックの増加と収益の増加を体感することができたそうです。


LinkedInの製品管理担当ディレクターであるPete Davies氏は、ビデオ機能がサービスの成長を後押ししたこと、そして何百万人ものLinkedInユーザーがこの機能を使用していることを明かしていますが、具体的にビデオ作成者がどれくらいの規模なのか、さらには視聴者数の詳細についても言及を避けています。

Davies氏は「ライブ配信こそLinkedInで最も求められている機能です」と語っています。YouTube、Facebook、Twitterなどの他のソーシャルプラットフォームと同じようなライブストリーミング体験ができるように、LinkedIn Liveは設計されているとのこと。ライブ配信を視聴しながら「いいね」を投稿し、リアルタイムで配信者に質問したりコメントを残したりすることも可能。また、ムービー配信側も嫌がらせ行為などを取り締まるために、投稿されるコメントをリアルタイムで管理できるようになっている、とDavies氏は説明しています。


LinkedInが収益化のために導入しているのは、ビデオ機能に挿入される「ビデオ広告」のみです。LinkedInはこのビデオ広告によりどの程度の収益を上げているのか、その詳細を明らかにしていませんが、Microsoftの2019年第2四半期決算によると、LinkedInの収益は前期比で29%増を記録しています。この約30%の収益増がビデオ広告によりもたらされているものであることを考えると、「ユーザーが求める機能」としてだけでなく、収益拡大の大きな原動力としてLinkedIn Liveが期待されていると推測することができます。

また、LinkedInはLinkedIn Liveの中で独自のコンテンツを活用した収益化を図ることも可能です。例えば、会議などのユニークな体験を有料で視聴者に提供したり、特定のライブイベントを有料配信したりすることで、より多くのユーザーを引きつけることが可能になります。

LinkedInは今度の収益化計画について詳細を明らかにしておらず、記事作成時点ではLinkedIn Liveにビデオ広告が登場することもありません。なお、ビデオ製品管理責任者のPeter Roybal氏は、TechCrunchのインタビューに対して「いくつかの新しいアイデアを試すための方法にもなり得ます」とコメントしています。

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in モバイル,   ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by logu_ii

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