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世界を席巻する「こんまり」こと近藤麻理恵の整理整頓術を実践したイギリス人心理学者がその効果を評価


「ときめくもの以外は捨てる」という大胆な整理整頓術で、今や世界を席巻する「こんまり」こと近藤麻理恵さんのメソッドを実践した心理学者が、自身の体験にもとづいてその効果を検証しています。

Marie Kondo: a psychologist assesses the KonMari method of tidying
https://theconversation.com/marie-kondo-a-psychologist-assesses-the-konmari-method-of-tidying-110217

「片づけコンサルタント」という肩書を持つ近藤さんは、活動の舞台を海外にまで広げたところ、そのメソッドが高く評価され世界中でブレイクしています。特にアメリカでの活躍はめざましく、こんまりメソッド番組はNetflixでも人気になるほどです。

KonMari ~人生がときめく片づけの魔法~ | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト


近藤さんは著書「人生がときめく片づけの魔法」にあるとおり、単なる整理整頓のテクニックを伝えるだけではなく、片づけによって人生が変わる、人生が豊かになるというライフスタイルを提唱しています。


イギリス・キール大学で心理学を研究するクリス・スティッフ博士が実際にこんまりメソッドを試してみて効果を確認した上で、心理学的な視点から評価しています。

「整理整頓」を2019年の目標に掲げたスティッフ博士は、こんまりメソッドに従って片づけを始めました。こんまりメソッドでは、「少しずつではなく一気に全体をやる」「場所ではなく物のカテゴリで整理する」「ときめくものだけ残し、それ以外の"不要なもの"は捨てる」とその特徴を挙げています。


こんまりメソッドを実践したスティッフ博士は、2週間たっても相変わらず整理整頓された部屋を維持することに成功しているとのこと。当初、整理整頓術としてこんまりメソッドに取り組んだスティッフ博士でしたが、きれいに整頓されたTシャツが並んだ引き出しを見たり、整ったスペースを感じることで爽快な気分になったそうです。

すでに心理学では整理整頓がもたらす科学的な効果、良い影響があるという見解は多数出されていますが、スティッフ博士はこんまりメソッドを心理学者としての立場で分析、評価することにしました。

まず、こんまりメソッドには「物を見えなくする」という単純な整頓法だけでなく、「必要な場所に正確に物を置くように整理する」というルールが提示されています。このルールのおかげで、物を簡単に見つけられるようになり「ストレスが軽減される」という効果があるとスティッフ博士は述べています。

そして、こんまりメソッド最大の特長である「ときめき」の判断について、片づけを実践する人に大きな裁量が与えられている点にスティッフ博士は注目しています。ときめく、ときめかないの判断に対して与えられた自由度は、整理整頓というタスクが完了したときに感じる達成感を高めるのに役立っているのだとスティッフ博士は述べています。


心理学の世界では、「キレイに整頓された環境で過ごすことで、思考能力が向上する」という研究結果が知られているとのこと。そして、「学び、成長し、成功できる」ということを認識する体験がその人の幸福感に大きな影響を与えるとして「self-efficacy(自己効力感)」が提唱されています。これらの観点でも、こんまりメソッドが心理学的に良い効果をもたらすと考えられます。

「こんまりメソッドを試すべきか?」という問いに対しては、自身の体験に基づいて「イエス」と答えるスティッフ博士ですが、いくつか注意点があるとのこと。こんまりメソッドはルールが厳格であり、「片づけをする」という目標を貫徹するには努力が必要です。「目の前に近藤麻理恵がいなければ、やり遂げるのは難しいかもしれない」と、こんまりメソッドには一定の難しさがあることを認めています。そして、タスクを諦めることで自責の念にとらわれるのが健康に悪いという研究もあるため、安易に手を出すことは得策ではないそうです。自分が費やせる時間やエネルギーを慎重に検討し、実行可能な目標を設定するべきだとのこと。

なお、こんまりメソッドでは、「ときめかない」という判断を下して捨てると決めた物に対して、「それまで役に立ったことに対して感謝する」「感謝してから捨てる」という考えがあります。日本人には理解しやすい内容ですが、イギリス人のスティッフ博士にとっては不思議に感じたようで、「物を生きているとみなすことで、より感情的に取り扱えるようになるという(PDFファイル)研究結果があるので、その考え方に戸惑う必要はない」と述べています。


また、こんまりメソッドを自己流に微調整するのはOKだとスティッフ博士は考えています。こんまりメソッドに含まれる内容を「指導」ではなく「ヒント」として活用することが、達成感を得るのに役立つことは忘れないようにとスティッフ博士は述べています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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