マスターカードが「無料トライアルから自動的に有料サービスへ切り替わる」手法を規制
by TheDigitalWay
クレジットカード大手であるマスターカードは2019年1月16日、業者がユーザーに対して一定の期間サービスを無料で提供する「無料トライアルサービス」について、無料期間終了後に自動で有料サービスへの切り替えを行うことを禁止しました。これによって商取引がシンプルで安全・安心なものになるとマスターカードは述べています。
Free Trials without the Hassle
https://newsroom.mastercard.com/2019/01/16/free-trials-without-the-hassle/
Mastercard will stop free trials from automatically billing you once they’re over - The Verge
https://www.theverge.com/2019/1/16/18185468/mastercard-free-trials-stop-automatic-billing-new-policy-rule
私たちはさまざまなサービスを利用する時、はじめに「一定期間の無料トライアル」を利用してサービスの満足度を確かめ、サービスに満足できたら有料サービスへの切り替えを行うことがあります。誰だって商品やサービスを購入した後で「使ってみたら自分には合わなかった」として後悔したくはないため、無料トライアルは非常に便利なものです。
しかし、サービスの中には、一定期間が経過するとユーザーに通知せずに無料トライアルから自動で有料サービスへと切り替わるものもあります。ユーザーが無料トライアルを試してみた後、忙しかったりうっかりしていたりしたせいで無料トライアルサービスの解約を忘れ、いつの間にか解約するのが困難な有料サービスに登録されていたという事例は少なくありません。
マスターカードは「あらゆる商取引をシンプルで安全・安心なものにするため、無料トライアルサービスを提供する業者に対して新たな規則を導入しました」と述べました。無料トライアルサービスの利用にはあらかじめクレジットカードの登録が必須である場合が多いものですが、規則の導入によってユーザーが無料トライアルサービス開始時にマスターカードを登録した場合、業者は有料サービスに切り替える前にカード会員の了承を得る必要があるとのこと。
by mentatdgt
業者は無料トライアルサービスから有料サービスへの切り替えを行う前に、メールやテキストメッセージによってユーザーへ無料トライアルサービスの解約方法を明示的に通知する必要があります。また、有料サービスに切り替わった場合の取引金額、支払日、業者名などもユーザーに通知することが義務づけられるとのこと。
また、その後に継続して行われる有料サービスへの支払時についても、業者は支払いに関する明細を送付する必要があります。その明細には業者のWebサイトのURLまたはカード所有者がサービスを購入した実店舗の電話番号に加え、ユーザーがサービスを解約したいと思った時にすぐ解約できるように、明示的なサービス解約方法が記載されるとマスターカードは説明しています。
無料トライアルサービスはユーザーにサービスを体感してもらい、売り上げを伸ばす正当な手法であるとマスターカードは述べています。その一方で、新たな規則の導入は業者が提供するサービスの透明性を高め、ユーザーを助けることにつながるとしました。
by Bankenverband - Bundesverband deutscher Banken
・関連記事
マスターカードが20年ぶりにロゴを更新、よりシンプルなデザインへと変更される - GIGAZINE
液晶ディスプレイ&キーパッド&ワンタイムパスワード生成機能付きのクレカをマスターカードが2013年から導入へ - GIGAZINE
MastarCardのPayPassでBitcoin決済ができる「ONEBIT」が登場、買い物や飲食のBitcoin決済が劇的に簡単に - GIGAZINE
新型iPhoneの決済システムはVisa・MasterCardなどと連携する見込み - GIGAZINE
Googleはクレジットカード利用状況をカード会社から入手してオンライン広告閲覧状況に紐付けて把握していた - GIGAZINE
クレジットカード利用の買い物で小売業者が付加料金を自由に課せる新制度がアメリカで開始 - GIGAZINE
・関連コンテンツ