石油ファンヒーターにガソリンを誤って給油してしまったらどうなるのか?
次第に冬本番が近づいてくると、石油ファンヒーターを使って暖を取ろうとする人も増えるはず。石油ファンヒーターを稼働するには灯油を燃料にする必要がありますが、誤って灯油の代わりにガソリンを給油してしまうというケースも報告されています。石油ファンヒーターにガソリンを給油してしまうとどうなってしまうのか、工業製品の技術評価・品質チェックなどを行う独立行政法人の製品評価技術基盤機構(NITE)が実際に試してみたムービーがYouTubeで公開されました。
【nite-ps】 ファンヒーター「3.ガソリン誤給油」
まず映し出されたのは2つのポリタンク。左側のポリタンクには灯油が、右側のポリタンクにはガソリンが入っています。
石油ファンヒーターで使うべき灯油ではなく、ガソリンをポンプで給油タンクに移し……
キャップを閉めます。
部屋の真ん中に置かれた石油ファンヒーターにガソリン入りの給油タンクをセット。点火して運転を始めると……
ヒーター本体からガソリンが漏れ出しました。ガソリンは揮発性が高いため、運転時の熱でタンクが温められた結果タンクの内圧が上昇し、ガソリンが外に漏れ出てしまうとのこと。
ファンが回転している間は引火しにくいため、ガソリンを入れても初回運転時には発火する可能性は高くありません。しかし、一度運転を終えて電源を切り、漏れ出したガソリンが揮発した状態で再度点火すると、事故が起きる可能性があります。
防護服に身を包んだ男性が、ガソリンが漏れ出た石油ファンヒーターの電源を入れました。
石油ファンヒーターが点火すると……
ボッという音と共に一気に発火。
メラメラと燃え上がる炎が石油ファンヒーターを包み込みます。
時折「ポン」という小さな爆発音をあげながら、瞬く間に火柱が天井近くまでのぼりました。
こうなってしまっては逃げる他ありません。
石油ファンヒーター内部や周囲に揮発したガソリンが燃料となって炎は勢いを増し、モクモクと黒い煙が部屋を包み込みました。
では、こうならないためにはどうしたらいいのかというと、そもそもガソリンを灯油などと同じようにポリタンクの中に入れないことが重要。ガソリンは専用の携行缶に入れるべきだと消防法に定められています。
万が一灯油とガソリンを間違えると危険なため、明らかに違う見た目の容器に入れ、別の場所で保管することが重要です。
灯油も規格に適合した容器で保管することが推奨されています。
これからの季節は石油ファンヒーターをはじめとする暖房器具や、鍋の火などが原因の火災が増える時期となります。石油ファンヒーターを使用する際は灯油とガソリンを間違えないように注意し、もしガソリンを入れてしまった場合は絶対に点火しないことが重要です。
・関連記事
シリコンバレーの歴史の一部である「HP創業者のアーカイブ」が大規模な火事で焼失 - GIGAZINE
火災を感知しスマホやタブレットと連携して火元や状況などを教えてくれる「Nest Protect」を使ってみました - GIGAZINE
火事がGIGAZINE編集部の近くで発生、木造2階建てが全焼、隣接する空き家にも延焼 - GIGAZINE
ゲーム機の「Wii」が原因と見られる火事が発生し消防署が注意の呼びかけ - GIGAZINE
Galaxy S4が充電中に発火する事故が発生、今のところ原因は不明 - GIGAZINE
山火事で発生した大量の煙が気温や水温を低下させ生態系に影響を与えている - GIGAZINE
「エコ灯油」を火吹きの大道芸人が使う知られざる理由、普通の灯油にはないメリットの秘密とは? - GIGAZINE
自分の家で火災が起きた後、何をすればいいのか? - GIGAZINE
実はGIGAZINE編集部が火事になりました - GIGAZINE
・関連コンテンツ