Qualcommは中国に最新端末のiPhone XSシリーズやXRの販売停止も求めている

中国国内でiPhone 6sシリーズからiPhone Xまでの機種の販売差し止めに成功していたQualcommが、さらに2018年モデルのiPhone XSシリーズやiPhone XRの販売差し止めをも求めていることが明らかになりました。

Qualcomm seeks China sales ban on iPhone XS and XR | Financial Times
https://www.ft.com/content/9835751a-fec3-11e8-aebf-99e208d3e521

Qualcomm asks China to ban the iPhone XS and XR - The Verge
https://www.theverge.com/2018/12/13/18139206/qualcomm-china-iphone-xs-xr-ban-lawsuit

フィナンシャル・タイムズが報じた内容によると、Qualcommは中国国内でのiPhoneの販売を全面的に差し止める内容を訴えているとのこと。中国時間の2018年11月30日に福州市にある知的財産を取り扱う中級法院(裁判所)が下した判断により、Appleは中国国内で「iPhone 6s」「iPhone 6s Plus」「『iPhone 7」「iPhone 7 Plus」「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」「iPhone X」の7機種を販売できない状況になっています。

iPhoneに中国で販売差止命令、AppleへのQualcommの特許侵害の訴えが認められる - GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20181211-china-ban-iphone-sales/

上記7機種のうち、iPhone 6/6 PlusおよびiPhone 6s/6s Plus、iPhone Xはすでに中国での販売が終了しているため、実質的に販売差し止めの対象となるのはiPhone 7/7 PlusとiPhone 8/8 Plusのみです。Appleは、iPhone XSシリーズとiPhone XRにはQualcommの特許技術が含まれないiOS 12が搭載されていることを理由に販売を継続していますが、Qualcommはこれが不当であると主張している模様。実際に中級法院が下した判断にはiOSのバージョンは記載されていないため、果たしてOSのバージョンによって差し止めの対象が影響を受けるのかどうかについては議論の余地が残されています。

フィナンシャル・タイムズの分析では、Qualcommはこの件を材料にしてAppleとの交渉を進める意向を持っているとみられています。QualcommとAppleは数年前から激しい訴訟合戦を繰り広げていますが、その戦況は「Qualcomm苦戦」という状態にあるとのこと。世界有数のスマートフォン市場である中国での販売の可否をネタにした駆け引きが当面の間続くことになりそうです