AppleとQualcommの泥仕合がさらに進展、今度はQualcommがiPhone 8/Xの輸入停止を求める訴訟を起こす

By jon jordan

iPhoneなどに搭載されているチップの特許をめぐってAppleとの係争まっただ中にあるチップメーカーのQualcommが、iPhone 8とiPhone Xのアメリカ国内への輸入差し止めを求める訴訟を起こしました。その直前には、AppleがQualcommを相手取って提訴しており、事態は泥沼の様相を呈するに至っています。

Qualcomm takes aim at Apple's flagship iPhone X, to seek partial ban in U. S. - The San Diego Union-Tribune
http://www.sandiegouniontribune.com/business/technology/sd-fi-appqual-iphoneban-20171129-story.html

Qualcomm files 3 new patent infringement cases against Apple, seeks import ban on iPhone 8 & iPhone X | 9to5Mac
https://9to5mac.com/2017/11/30/qualcomm-apple-import-ban-iphone-x/

サンディエゴに拠点を置くQualcommは現地時間の2017年11月29日、3件の特許権侵害訴訟をサンディエゴ地方裁判所に申し立てました。また、これに併せて翌30日には、アメリカ国際貿易委員会にも新たな訴えを提出しています。訴えの中でQualcommは、通信帯域技術や省電力技術、写真加工、デュアルカメラのセットアップに関する技術など、少なくとも16件の特許をAppleが侵害しているとしています。

AppleとQualcommはこれまでにも訴訟合戦を繰り広げており、2017年7月にQualcommはiPhoneの輸入と販売を停止させようとする訴えを起こしていました。

iPhoneの輸入と販売を停止させようとQualcommが米政府に要求 - GIGAZINE

一方でAppleは2017年11月29日にAppleがQualcomm相手にバッテリー技術に関して逆提訴を行いました。

Apple accuses Qualcomm of patent infringement in countersuit
https://www.reuters.com/article/us-apple-qualcomm/apple-accuses-qualcomm-of-patent-infringement-in-countersuit-idUSKBN1DT1UU

アップル、クアルコムをバッテリ寿命関連の特許で逆提訴 - CNET Japan
https://japan.cnet.com/article/35111197/

今回のQualcommの動きはAppleによる逆提訴に迅速に反応したもののように見えますが、同社の法律顧問を務めるドン・ローゼンバーグ氏によるとこのタイミングは「偶然」であるとのこと。「提訴に対してそれほど前に迅速な反応は取れない」とし、「Qualcommは今、サンディエゴ地方裁判所での3件の新しい訴訟と、国際貿易委員会での1件の新しい訴訟を進めています。これらの訴訟は、これまでに進められてきた訴訟に加わる16件の特許侵害を訴えるもので、16件のうち5件は国際貿易委員会に対して輸入差し止め措置を求める内容です」と訴えの中身を語っています。

AppleはこれまでQualcomm製チップを採用してきましたが、2018年発売の端末ではIntel製チップに乗り換える方針であることが関係筋からの情報として報じられています。しかし、品質の面ではQualcommが勝る部分が多いため、Appleはジレンマに陥っているとする見方も存在しています。

アップル、来年のiPhone・iPadにクアルコムの部品不採用＝関係筋 - WSJ
http://jp.wsj.com/articles/SB11687788072773163532404583486023022552476

アップル、来年のｉＰｈｏｎｅにクアルコム部品不使用も＝関係筋
https://jp.reuters.com/article/apple-qualcomm-iphone-idJPKBN1D00CJ