メモ

有料ウェブサービスで「コンバージョン向上のためわずかな変更を繰り返すのは意味がない」という主張

by Tim Gouw

有料のネットサービスを立ち上げて利益を上げたいと考える人々は、少しでもユーザーが有料サービスを利用してくれるようにさまざまな手を加えます。ボタンの位置や大きさを変更したり表示の順番を変更したりして、「少しでもコンバージョンを上昇させるために常に改良を加える必要がある」と考える開発者が多い一方で、「本当にその小さな変更が利益につながったのか?」を考える必要があると、スタートアップのコンサルタントを行っているPedro Cortés氏が主張しています。

Why Tweaking & Split testing a SaaS Website is stupid (do this instead)!
https://www.cortes.design/post/saas-website-conversion-split-test

開発者はコンバーション率の向上を目指して多くの手間と時間をかけますが、本当に考えるべきなのは「顧客獲得コスト(CAC)」であるとのこと。自身のウェブサイトに誘導するのにどれくらいの費用がかかったのか、顧客となるまでにどれほどのコストがかかったのかを考えるべきであり、わずかなコンバージョン率を上げるために膨大な手間暇をかけるのは理にかなっていないそうです。

たいていの場合、「よりよいサービスを提供すればより多くの利益が得られるはず」としてサービスの細かな改善を繰り返したとしても、それに見合ったリターンが得られるのはサービス開始初期であり、サービスのリリースから時間が経過するほど改善によるリターンが少なくなります。

また、「いったいどういうウェブサイトにすればコンバージョン率が上がるのか?」を調べるため、複数のサイトパターンを用意してスプリットテストを行う開発者もいます。しかし、このテストを行うネットサービスのうち95%が満足する結果を得られていないそうです。スプリットテストが効果的なのは一貫して大量のトラフィックがある場合であり、多くのネットサービスはスプリットテストを行って有益なデータが得られるほど、元々のトラフィックが多くないとのこと。

by Startup Stock Photos

重要なのはサイト上で力を入れるべき部分とそうでない部分を区別し、労力と時間を費やしただけのリターンが得られる改善に注力することです。CAC向上のために力を入れるべき部分については、主に以下の部分が考えられるとのこと。

◆サービスの購入までに至るページを整備すること
サービスの収益はユーザーが有料サービスの利用を開始することで得られます。そのため、「ユーザーが最初に訪れるウェブサイトのページ」「サービスの料金を説明したページ」「無料試用サービスや本登録を行うページ」「サービス開始直後のページ」といったサービス購入までの道筋は、しっかりと整備しておく必要があります。

◆質問や疑問に答えること
ユーザーは誰しもサービス開始までスムーズに進むというわけではなく、途中でサービスの内容に疑問を持ったり不明点が出てきたりするものです。ウェブサイト上で簡単に疑問を解消することができれば、ユーザーは気分よく有料サービスの利用が開始できるとのこと。そのため、開発者は予想されたり実際に寄せられたりした質問や疑問に答えたページを用意し、サイト上のどのページからでもアクセスできるようにしておくことが重要です。

◆顧客の要望に応えること
実際に利用してくれている顧客からのフィードバックを受け、実際に通話を行ったりレビューをしてもらったりすることが重要です。ユーザーから「この点が不便だから改善して欲しい」という要望が寄せられた場合、その裏には20倍ものユーザーが「この点が不便だけど、連絡が面倒だから放っておこう」として不満点を残していると考えるべきだとのこと。

by Christina Morillo

有料サービスの展開では「労力と時間をかけた結果、実際にどれほどの利益が得られたのか」を重視するべきであり、限られたリソースを必要かどうかもわからない細かい点の改善に注ぐのではなく、正しい成果が得られる点に注力することが重要だとまとめられています。

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in メモ,   ネットサービス, Posted by log1h_ik

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