Linuxコード内の罵詈雑言を「ハグ」に置き換える試みが賛否両論
by Sai Kiran Anagani
2018年10月23日にリリースされた「Linux 4.19」では新しい行動規範が設定され、コード内ではより包括的な言語を使用するように推奨されています。この新しい行動規範には多くの支持者がいる一方で、熱心ではないユーザーもいたのですが、IntelのソフトウェアエンジニアであるJarkko Sakkinen氏が、Linuxコード内のFワードを「Hug(ハグ)」に置き換えるパッチを配布するという形で行動規範を実践し、話題を呼んでいます。
[PATCH RFC 00/15] Zero ****s, hugload of hugs <3
https://lists.freedesktop.org/archives/dri-devel/2018-November/198581.html
F-word removed from Linux code comments in favour of 'hug' - Neowin
https://www.neowin.net/news/f-word-removed-from-linux-code-comments-in-favour-of-hug/
Linux 4.19の新しい行動規範に従い、ソフトウェアエンジニアのSakkinen氏がLinuxのコードコメントに含まれる「ファック」などのFワードを「ハグ」に置き換えました。この変更に伴い、ユーザーからは「これが冗談であることを祈るよ」「冗談であろうとなかろうと、これは検閲だ」「英語のネイティブ話者ではないので、この置き換えが起こると文章を理解するのが難しくなる」といった意見があがっています。
海外ニュースサイトのNeowinは「これらの変更は想像力のディストピアとまでは言いませんが、コメントを混乱させることはあまり良い事例とはいえません」と指摘。プログラミングを行ったことがある人なら、ソースコードには「なぜそのようなコードになったのか?」を説明するためのコメントが、コードを書いた人物ではなく「のちにコードを見る人」にとって重要なものとなることは理解できるはず。しかし、Fワードを「ハグ」に置き換えてしまうと、コメントが本来の意味から遠ざかりコードを書いたプログラマーの意図が伝わらなくなるため、Neowinは「良い事例ではない」と指摘しているわけです。
なお、海外掲示板のReddit上では「このパッチは受け入れられない」という否定派から、「『ハグ』じゃなくて『キュート』にしよう!」といったコメントが寄せられています。
F-word removed from Linux code comments in favour of 'hug' : technology
なお、Linuxの生みの親であるリーナス・トーバルズ氏といえばNVIDIAに対し中指を突き立てFワードを言い放ったり、「技術的革新について話すだけのヤツはクソだ、黙って手を動かせ」と語ったりと、何かと問題発言の多い人物。Fワードを連発するリーナス氏の存在が新しい行動規範に影響しているかどうかは不明ですが、ハグだらけの愛溢れるコードよりもFワードまみれでも読みやすいコードの方が支持されていることは間違いなさそうです。
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