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人工衛星が取得したデータを誰もが容易に利用できる基地局サービス「AWS Ground Station」をAmazonが発表

By Jeffrey Sullivan

アメリカ時間の2018年11月27日、Amazon Web Services(AWS)はラスベガスで開催されているイベントの「AWS re:Invent 2018」の中で、誰でも従量課金制で人工衛星のデータを利用できるようにする人工衛星基地局サービス「AWS Ground Station」を発表しました。まずはプレビュー提供が開始されており、2019年にも本格的にサービスがスタートする見込みです。

AWS Ground Station – Ingest and Process Data from Orbiting Satellites | AWS News Blog
https://aws.amazon.com/jp/blogs/aws/aws-ground-station-ingest-and-process-data-from-orbiting-satellites/

Amazon Web Services launches AWS Ground Station, a cloud service for satellite operators – GeekWire
https://www.geekwire.com/2018/amazon-web-services-launches-aws-ground-station-cloud-service-designed-satellite-operators/

このサービスはAWSが航空宇宙大手のロッキード・マーティンとの協力のもとで提供するもの。地球の低軌道(LEO)および中軌道(MEO)を周回する人工衛星が取得したデータを世界12カ所に設置した低コストなアンテナで受信してクラウドで処理・展開することで、ユーザーが求めるデータをオンデマンドで提供・保存したり、分析処理などを行ったりすることができます。


これまで、人工衛星のデータを受信して活用するためには専用の基地局などの設置が必要で、数億円レベルの設備コストを負担する必要がありました。また、既存の基地局を利用する方法を取る場合でも個別に長期契約を結び、スケジュール管理を行うなど多くの作業が発生しました。これらの問題を解消するため、AWS Ground Stationは世界各地に衛星基地局を配置して衛星が撮影した画像データなどを受信し、AWSのEC2経由で活用することを可能にします。


サービス開始当初の基地局は2カ所ですが、AWSは2019年内に世界の12の地域に基地局を設置予定。これは、Amazonが設定しているリージョンに対応するものになるとのこと。世界中に基地局を持つことで、ユーザーは従来よりも迅速にデータを入手できるようになるほか、データのアップリンクも可能になります。

ユーザーがサービスを利用する際の料金は、分単位で課金される仕組み。デジタル化された衛星のデータは、以下のような形で利用することができるとのことです。


・ストリーミングAmazon Kinesis Data Streamsでデータストリームのキャプチャ、処理および保存

・プロセッシングAmazon Rekognitionでの画像認識およびAmazon SageMakerを用いて機械学習モデルの構築・教育・展開

・分析およびレポートAmazon Redshiftで処理済みデータをデータウェアハウス形式での保存、およびAmazon AthenaまたはAmazon QuickSightでデータのクエリを実行

・ストレージAmazon S3でのデータ保管およびAmazon Glacierでのアーカイビング

サービス発表時点ではまだ実際にデモを実演できる人工衛星は用意されていないとのことですが、AWSのブログでは利用時のイメージ画像が公開されています。


アカウントを作成して使用準備が整ったら、各人工衛星に固有の番号「NORAD ID」を入力し、使用したい地上基地局や日時などを指定。


人工衛星のステータス(「Available(利用可能)」「Scheduled(仮予約済)」「Completed(本予約済)」)で絞り込むこともできる模様。


使用したい枠を選択し……


「Reserve」をクリックすると、実際に宇宙を周回している人工衛星のデータ利用の予約を行うことができるというわけです。


一般の人にはそれほど馴染みがない人工衛星の活用ですが、研究分野に属する人や自然災害の状況を確認したい研究者などにとっては、一気にそのハードルを下げてくれるサービスといえそう。もちろん、全てのサービスがAWS内で完結しているサービスというのもポイントです。

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