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「ブラジルのトランプ氏」と呼ばれるブラジル新大統領がアマゾンの熱帯雨林を破壊するかもしれない

by CIAT

2018年10月28日に行われたブラジル大統領選挙の決選投票において、過激な発言を繰り返すことで「ブラジルのトランプ氏」ともいわれる軍人出身の右派政治家ジャイル・ボウソナロ氏が当選を果たしました。そんなボウソナロ氏が、「アマゾンを破壊するのではないか」という懸念の声が挙がっています。

Brazil’s new president plans to plunder the Amazon, which is bad news for all of us | Popular Science
https://www.popsci.com/brazil-election-amazon-deforestation

ボウソナロ氏は汚職の撲滅や治安の回復といった国民の不満を解消する政策により支持を集める一方で、同性愛者や女性、黒人への差別的な発言が問題視される人物。民間企業の自由な発展を認めたり先進国との関係を強化したりといった展望を掲げていますが、選挙運動中の2018年9月には市街地で反対派の男に腹部を刺されるといった事件にも巻き込まれています。

現状への不満を背景に大衆の支持を獲得し、過激な発言を繰り返すボウソナロ氏は「ブラジルのトランプ氏」とも呼ばれており、「資源開発のためにブラジルの熱帯雨林を切り開く」という政策も掲げていました。ボウソナロ氏は世界自然保護基金のような環境NGOの活動を禁止し、ブラジルの環境省を農業省の下部組織とした上で、アマゾンの熱帯雨林保護に関する法律を緩和すると表明しているとのこと。また、気候変動抑制に関する多国間合意であるパリ協定から離脱することも選挙運動早期から表明していました。

そんなボウソナロ氏の環境を軽視する姿勢を、世界中の環境関係者が心配しています。アマゾンについての研究を行うフロリダ大学の環境学者であるエミリオ・ブルーナ氏は、「アマゾンの70%を支配しているブラジルの政治的決定は大きなものだ」と語っています。気候変動や環境の悪化に対処するためにはアマゾンを保護することが必要不可欠ですが、2012年以降の熱帯雨林減少率が上昇傾向にある中で、明確に環境保護に敵対しているボウソナロ氏の当選は熱帯雨林減少を継続・加速させるものだとのこと。

by Agência Brasil Fotografias

ブルーナ氏は環境省を農業省の傘下に置くというボウソナロ氏の方針について、「2つの省は明らかに違う役割を持っています。環境省が環境保護に関する法律に関わる一方、農業省は農家が環境法で保護されている地域で農業を行っていないか、違法な農法を使用していないかを監督します。そんな農業省の傘下に環境省が置かれるという状況は、優先事項が何であるかを明確に表しているものです」と語っています。

また、ボウソナロ氏はアマゾンに住む先住民族の人々に対しても強硬な姿勢を示しています。アマゾン先住民族協会(APIB)のディマナ・トゥクサ氏は、「これは最悪のシナリオです。ボウソナロ氏は明らかに先住民族から土地の権利を奪おうとしています」と述べ、選挙結果に落胆したことを示しました。

ボウソナロ氏は鉱業のために先住民族の人々が住むアマゾンの土地を開拓し、資源開発を行うことを公約にしています。また、アマゾンで原子力や水力発電を行うというビジョンについてもボウソナロ氏は言及しており、アマゾンの開発に大きな意欲を持っているとのこと。アマゾンの熱帯雨林や先住民族は巨大な開発の圧力に直面しており、多くの環境保護活動関係者や研究者もボウソナロ氏の行動を注視しています。

by CIFOR

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in メモ, Posted by log1h_ik

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