乗り物

テスラのEVの信頼性評価が年月を経て急降下している


テスラが2018年Q3(7月から9月)の決算を発表し、ついに黒字化を達成しました。四半期決算で純利益を出すのは2年ぶりと経営不振の長いトンネルを抜けたテスラですが、アメリカの権威ある消費者情報誌「Consumer Reports(コンシューマーレポート)」の信頼性評価で、当初は高い評価を受けていたモデルSやモデルXが順位を急激に下げていることが明らかになりました。

Tesla plummets in Consumer Reports reader reliability survey - Autoblog
https://www.autoblog.com/2018/10/24/tesla-consumer-reports-reliability-survey/

テスラが2018年10月24日に発表した2018年Q3決算は、売上高で68億2441万ドル(約7340億円)、フリーキャッシュフローで8億8100万ドル(約986億円)の黒字、純利益でも3億1151万ドル(約349億円)となり、2016年Q3以来、2年ぶりの黒字になりました。最廉価モデルである「モデル3」の生産工程を改善し続けた結果、ついに黒字化を果たした模様。テスラの好決算を受けて、株価は時間外取引で11%アップしています。

Tesla Third Quarter 2018 Update
(PDFファイル)http://ir.teslamotors.com/static-files/725970e6-eda5-47ab-96e1-422d4045f799


主力車であるモデル3の大量生産に目途が立ち、いよいよテスラの反転攻勢が期待される中で、コンシューマーレポートが「モデルS・モデルXの信頼性の急降下」を示す評価を公表しました。

Guide to Car Reliability - Consumer Reports
https://www.consumerreports.org/cars-car-reliability-guide/

コンシューマーレポートによるメーカー別の信頼度ランキング2018年最新版は以下の通り。トップ2はトヨタの高級ブランド「レクサス」と「トヨタ」。この2社(2ブランド)は順位を入れ換えつつも6年連続でツートップを形成しており、文句なしに「最高の信頼性」を提供するメーカーとして不動の地位を確立しています。上位陣を日本メーカーが占める中で、テスラは前年から6段階降格し29社中27位と下位に沈みました。


当初、非常に高い顧客満足度が評価され信頼性が高く評価されていたテスラ車ですが、モデルSではドアやエアサスペンションについてユーザーからのトラブル報告が多数挙がり、モデルXは特徴的なガルウイング(ファルコンウイング)やセンターディスプレイの不具合報告が相次ぎ評価が下がりました。モデルXに至っては約300車種の中の「信頼性が最低ランクの自動車ワースト10」に選ばれるという不名誉な結果になっています。


コンシューマーレポートのジェイク・フィッシャー氏は「テスラを降ろさざるを得ない複雑な状況です。テスラ車に実際に見られる問題の大半は機械的な問題です」と述べており、OTAによるソフトウェアアップデートでは解決が難しいトラブルを示唆しています。比較的構造が単純で、新規参入への障壁が低いと考えられてきた電気自動車(EV)ですが、動力源以外は既存の自動車と変わることはありません。長期間使用した時点での信頼性の確保については、やはり老舗メーカーに一日の長があるようです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
テスラの2018年第2四半期決算は赤字継続、黒字の「テスラ・モデル3」が収益改善の鍵に - GIGAZINE

テスラ・モデル3をバラバラに分解、その結果モデル3の利益率は30%にも達することが判明 - GIGAZINE

ブレーキ性能不足が指摘されていたテスラ・モデル3、ファームのアップデートで性能を改善して「オススメ」をもらうことに成功 - GIGAZINE

テスラが中国国内に工場を建設してEV生産に乗り出す計画が判明 - GIGAZINE

テスラは1980年代の自動車業界の失敗を繰り返していると専門家が指摘 - GIGAZINE

「モデルSの信頼性は平均以下」とのコンシューマーレポート評でテスラの株価が急落 - GIGAZINE

イーロン・マスクが「テスラが1人の従業員から妨害行為を受けていた」ことを明かす - GIGAZINE

in 乗り物, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.