サイエンス

脳を接続しテレパシーのように思考をシェアしてテトリスの3人共同プレイに成功

by gerlos

3人組がそれぞれの脳を接続し、思考を共有することに成功しました。実験で3人はテトリスのようなブロックゲームを共同プレイし、高い成功率を記録したとのこと。今回は3人プレイでしたが、スケールアップさせて、ネットワークを通じた複数人での共同プレイも可能になるとみられています。

[1809.08632] BrainNet: A Multi-Person Brain-to-Brain Interface for Direct Collaboration Between Brains
https://arxiv.org/abs/1809.08632

Scientists Have Connected The Brains of 3 People, Enabling Them to Share Thoughts
https://www.sciencealert.com/brain-to-brain-mind-connection-lets-three-people-share-thoughts

ワシントン大学の研究者たちが行った実験は、脳の活動を示す電気刺激を記録する脳波計(EEG)と弱い電流で脳内のニューロンを興奮させる経頭蓋磁気刺激法(TMS)を持ちいて行われました。研究者は「BrainNet」と呼ばれるこの装置を使い、最終的にはインターネット越しに3人の思考を接続することに成功したとのこと。

「私たちの知る限り、BrainNetは複数人が共同の問題を解決するために、非侵襲的な方法で直接脳と脳を接続できるようにする初めてのインターフェースです」「このインターフェースは脳と脳を直接コミュニケーションさせることで、3人が協力的にタスクを解決できるようにさせました」と研究者は述べています。

実験では、被験者3人のうち2人の「送信者」は脳波計の電極を接続され、テトリスのような落下するブロックを積み上げるゲームをプレイしました。このとき、送信者はブロックを回転させるかさせないかを決める必要があり、回転させる時には「スクリーンの左右にある15Hz、あるいは17Hzで点滅するLEDを見つめる」ということが指示されました。光を見つめることで生まれる異なるシグナルを脳波計がキャッチするという仕組みです。

by Engin_Akyurt

その後、TMSキャップをかぶった受信者の元にシグナルは送られます。受信者はゲーム画面の上部だけを見ることができるため、ブロックの形は把握できますが、どのように回転すべきなのかはわかりません。このような状況の中、受信者はTMSキャップによって頭の中に作り出される眼閃に従い、ブロックを回転させていく必要があります。

5グループの3人組が実験を行ったところ、最初のテストの平均精度レベルは81.25%だったとのこと。

実験ではゲームを複雑にするため、送信者がフィードバックを受信者に送ることも可能とのこと。また送信者の一方が送るシグナルにわざとノイズを入れて信頼度を落としたところ、受信者が一方の送信者のシグナルだけをわざと無視するというシーンも確認されたそうです。なお、記事作成時点では一度に1ビットのデータしか送信できないとのことですが、研究者は将来的に、システムを拡張させるが可能だと考えています。

by jambulboy

2015年、同研究者たちは2人の被験者の脳をリンクさせることに成功しています。2018年9月に発表された論文はまだ査読が行われておらず、完全に信頼できるものではありません。しかし、研究者は「私たちの研究結果は、将来的に、脳を接続した『ソーシャル・ネットワーク』を使って人々が共同で問題を解決できる『脳対脳のインターフェース』の実現可能性を高めます」と語っています。

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log

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