Microsoftがアメリカでトップ5のPCメーカーにランクイン、急成長の立役者はSurfaceシリーズの成功か
by Vernon Chan
IT市場調査会社のガートナーによる2018年第3四半期におけるPC市場調査報告書の中で、Microsoftが初めてアメリカでトップ5のPCメーカーとなったことが明らかになりました。Microsoftが、PCメーカーとしてアメリカのトップ5にランクインしたのは初めてのことであり、背景には、Surfaceの成功があるとみられています。
Gartner Says Worldwide PC Shipments Experienced Flat Growth in the Third Quarter of 2018
https://www.gartner.com/en/newsroom/press-releases/2018-10-10-gartner-says-worldwide-pc-shipments-experienced-flat-growth-in-the-third-quarter-of-2018
Microsoft is now a top five PC maker in the US thanks to Surface - The Verge
https://www.theverge.com/2018/10/10/17961938/microsoft-surface-top-pc-maker-gartner-2018
ガートナーは、2018年第3四半期の世界全体のPC出荷台数はおよそ6720万台で、前年度同期と比べて0.1%増加したと発表しています。世界規模で見た場合のPCベンダーのランキングが以下の画像。出荷台数・市場シェアともに第1位はLenovoで、その後にはHP、Dell、Apple、Acer、Asusと続きます。トップ3であるLenovo・HP・Dellは、前年度同期と比較すると販売台数と市場シェアが共に増加していますが、Apple・Acer・Asusは減少しています。
一方、以下の画像はアメリカ国内でのPC出荷台数と市場シェアをまとめたもの。DellとAppleは出荷台数とシェアが共に減少している中、Microsoftはシェアが4.1%を記録し、上位5社に食い込んでいます。MicrosoftがPCベンダーとしてアメリカ市場でトップ5にランクインしたのは初めてのことです。
The Vergeは、MicrosoftがアメリカPC市場第5位のベンダーになった理由の背景にはMicrosoftが展開しているSurfaceブランドの成功があるとみています。Microsoftは2018年10月にはSurface Pro 6・Surface Laptop 2・Surface Studio 2などの新製品を発表していて、少しずつアメリカ国内の市場シェアを奪いつつあります。実際、Microsoftは第4四半期決算の発表で「Surface部門の収益は2億3700万ドル(約270億円)、およそ25%増加しました。これは最新のSurfaceの好業績が前年度の低水準を引き上げたものです」とコメントしていて、Surfaceがもはや10億ドル(約1100億円)規模の事業に成長していることを明らかにしています。
ガートナーによると、アメリカのPC出荷台数は全体的に0.4%の減少が見られるものの、デスクトップPCの出荷台数は横ばいで、モバイルPCの出荷台数が前年度同期に比べてわずかに減少していたとのこと。ガートナーの統計対象となるPCは「WindowsもしくはmacOS搭載マシン」であり、ChromebookやiPadは含まれていません。ガートナーは「アメリカのK-12教育の現場で導入されるモバイルPCは、いまやChromebookが主流になりつつあります。Chromebookは大きく成長していますが、私たちのPC市場の統計には含んでいません」と述べています。
一方、同じ調査会社のIDCによる統計ではChromebookの台数も集計されており、2018年度第3四半期のアメリカでのPC出荷台数は1720万台と、1477万台とするガートナーの調査よりも16%も多い数字が報告されています。これを受けて、IDCは「アメリカのPC市場はさらに成長した」と評価しています。
US Device&Displaysのシニアリサーチアナリストを務めるNeha Mahajan氏は「CPUの不足が懸念されているにも関わらず、アメリカのPC市場はノートPCを中心に好調な業績を収めています。ビジネスPCの供給バランスがいいこと、Chromebookが教育機関向けに安定して供給されていること、そしてゲームユーザーが増加していることによって、アメリカのPC市場は安定しています」とコメントしています。
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